さようなら、アイスランド
写真−167
港近くにあるヴァイキング船のオブジェ
2009.7.17
22:05
あとがき‥‥
冒頭にも述べたように、「アイスランドが、何故世界の金融危機の影響を受けたのか」の疑問を出発点として、今回の旅行が実現した訳であるが、旅行中の発見は、新鮮、驚き、感動、観察の連続であり、実に楽しい旅行であった。改めて、私自身の地理や歴史の知識は、とても浅薄なものであると思い知った。
地質学的に、興味を持ち、驚いた点として、「地球の生きている姿が体験できる奇跡の島」との謳い文句に納得したことである。
アイスランドは、本来海底火山である筈の海嶺の頂上部が顔を出して出来た島であり、火山活動は、島の創成期から延々と続き、その足跡を様々な場所に残してきた。そしてそれは今なお続いている。
火山と氷河が創り出した荒々しい景観、氷河から生まれる巨大な滝、溶岩がひたすら続く台地、高く吹き上げる間欠泉、湖のような大露天風呂‥‥‥。「ジオロジスト・ファンタジー」(地球物理学者の夢の国)のキャッチコピーにも得心した。
社会科学的に、興味を持ち不思議に思った点として、日本とは比較にならない小国ではあるが、経済的に豊かで、民主主義は高度に発達し、高い文化と芸術性を持ち、どこに行っても安全で(例えば、大統領官邸に警備が居ない)、人々は勤勉で、厳しい気象条件の中で助け合って生活していることであった。
今までは、「物質的な恩恵が行き渡らない辺境の地にこそ、心の文明度が高い所がある」 と思って、秘境を中心に旅行してきたが、「経済的に豊かな国でも、心の文明度が高い国がある」 ことを認識した旅行でもあった。これは、米・露・中・日などの大国には真似が出来ないことではあろうが‥‥‥。
今回の旅行は、真夏の一番良い季節であったので、夜も含めて大半の時間は明るかった。しかし、冬は完全に逆となる。従ってここに記載した写真や旅行の感想は、夏にだけ通用するものであり、冬は別の世界であることも意識する必要がある。
2009年7月25日