ボルネオのキナバル山登山(東南アジア最高峰)

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ボルネオのキナバル山は、富士山より高く、標高は4095.2m、山麓の鬱蒼たる
「原生熱帯雨林」から、中腹の「雲霧林」を経て巨大な1枚岩の尖った頂上‥‥‥
これらの写真集と登山記録
2008年4月14日より19日までの6日間、マレーシア/ボルネオ島のキナバル山(4095m)に登頂しました。東南アジア最高峰の山です。
山麓は4500種の植物があると言われる熱帯のジャングルで、登るに従って植生は変わり、サルオガセと苔に覆われた雲霧林を通過し、森林限界を超えると荒涼とした岩山になります。
豊かな大自然の中、しかも初めての4000mを超える登山体験は、まさに感動の連続でした。
マレーシア国旗
マレーシア国旗
ボルネオへの経路図
ボルネオへの経路図 kinabalu001001.gif
写真集と旅行記目次
1.キナバル山登山地図
2.キナバル山登山ハイライト
3.山頂の朝焼けのドラマ
4.観光開発について
5.キナバル山の植物1
6.山頂にて1
7.登山設備など
8.山頂にて2
9.キナバル山の植物2
10.熱帯雨林1
11.からゆきさん他
12.破壊された熱帯雨林
13.熱帯雨林2
14.コタキナバル
15.旅程表
写真を行程順に並べると同じような写真が続くので、行程に従った順序ではありません

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ツアーに同行された方は是非ご連絡下さい。
目的はキナバル山登山だが‥‥
 キナバル公園の面積(753km2)は広大で、淡路島(592km2)またはシンガポール(698km2)よりも広い。そもそも、ボルネオ島の面積(725,500km2)そのものが、日本の面積(378,000km2)の2倍ある。

 今回の登山旅行は、公園からさほど遠くない空港(コタキナバル)に降りて、キナバル山に登頂し、山を下れば空港に帰ったので、殆どが自然公園内の行動であった。

 キナバル山の景観は、登山口(特にマシラウルート)近辺の「熱帯雨林」 の面影を色濃く残す地帯から、中腹の 「雲霧林」 を経て、「森林限界」 から上の荒涼たる花崗岩の岩肌まで変化が大きく、中でもその植生の豊かさは言葉では尽くせない。

 1200種以上のランを含め、植物4500種、蝶290種、鳥326種の生態系であるとのこと。世界遺産になった所以である。

 富士山でも麓から頂上まで植生の垂直分布があり植物の種類は豊富だが、キナバル山の植生の豊富さは、富士山とは全く較べものにならない感じであった。昨年旅行した南米先端のパタゴニアも、広大な自然であったが、植生の多様性ではキナバル山がはるかに勝っていると思う。

 このように、日本とは桁違いの自然と親しみながら登山し、さらに1日7時間以上の急斜面の行動時間が3日間続いた経験は初めてであり、驚きと感動のため多くの写真撮影が出来た。

 しかし、日本の2倍の面積を持つボルネオ島の、僅かに淡路島相当のキナバル公園(全島面積の0.1%)以外は、どうなっているのだろうか。

 もともと、ボルネオ島は全島の70%が、樹高60mもの熱帯雨林に覆われていた。現在ボルネオ島で自然が保護されている国立公園はキナバル公園以外にも多数あるが、自然保護地区以外は殆どが、人手が入った里山的な地域と、人工的な「アブラヤシ農園」(オイルパーム・エステート) に変わってしまった。熱帯雨林のジャングルは既に無くなっている。

 ボルネオ島への旅行者はビジネスマンを別にすると、キナバル公園などを訪れて、その自然の雄大さに感激し、また壮大な登山やマリンスポーツに感動するグループ(観光客)と、少数ではあるが、既に破壊された広大な熱帯雨林に取って代わった「アブラヤシ農園」、 あるいは絶滅寸前にある動植物に関して、環境問題、動植物学、文化人類学などの視点から研究・考察するグループに分かれる。

 ボルネオ島旅行者にとって、この二つのグループの目的は両立しないので、どちらかを選ぶことになる。

 私は、もちろん登山目的であったが、せっかくボルネオ島に来たのだから、少しはアブラヤシ農園、あるいは日本との関わりの歴史含めて、以下に登山記を書こうと思う。(キナバル山の写真集へ)
 

                                                                                            2008年4月22日 記