ブータンのパロ・ツェチュ祭
幸福の国ブータン旅行の写真集と旅行記
ブータンの国旗
2004年3月30日より4月7日までの9日間、ヒマラヤの神秘の王国ブータンへ旅行しました。折しも同国最大の祭りパロ・ツェチュ祭の期間中でありとても珍しい体験と感動が得られました。
ブータンへの経路図
心の文明国ブータン
ブータンは日本より遥かかなたのヒマラヤの山中の国だが、訪問した区域は意外に日本(昔の)と感じが似ている。散歩してもバスで走っても目に入る山並、民家、田畑など感覚的に日本と同じようだ。ブータンの民族衣装も日本の着物やどてらと似ている。従って目に見えるものだけで判断すればブータンは秘境ではない。
ブータンの緯度は沖縄と同じで熱帯であるが、訪問した区域は高度が1300〜3000mと高いので結果的に東京と同じ程度の気候になる。白いヒマラヤモクレンは日本にもある(と思われる)樹木だし、日本のヒマラヤ杉もヒマラヤから伝わったものである。植生は厳しい気象条件により特定の種類が他を圧してはびこるのでなく、多種多様な植物が共存しているところも日本と似ている。
門松や闘牛の行事も似ている。1から10までの数字の発音も日本と似ている。
これらのことからブータンこそ日本のルーツだと言った人も居たが、民族や文明の伝播はそれほど単純なものではないことは昨年のシルクロードの旅行中にも強く感じた。
しかし目に見える物理的なものでなく精神的な面を見れば、ブータンは日本人が既に失ってしまったものを未だ心豊かに有する「心の秘境」である。
ブータンの強烈な印象は人々が物静かで善意に満ちていることである。華やかなツェチュ祭でさえ基本的には静かな踊りである。ブラジルのサンバやアフリカの太鼓のような激しさはない。あくまでも宗教的な教えを説く僧侶の踊りである。
旅行者にとっても治安の心配が全くない。大人も子供も他人を疑うことを知らない。野犬までが人間を信じきっている。車はゆっくり走るので道が狭くても心配はない。
農業主体の自給自足経済で就職の心配はない。結婚や離婚はかなりおおらかで、たとえ離婚しても子供が犠牲にならないシステムになっている。近所の諍いもない。幼い子供は家庭的なスキンシップに溢れ、子供は学校が楽しく、過度の受験勉強や競争もない。死も大乗仏教の教えで怖いものではない。人生に何の心配もない。
勿論上記は誇張や我田引水のところがあると思う。しかしながら「ブータンに旅行して心穏やかになって帰国した」と私が言っても、多分ツアー同行者は異存はないと思う。
ブータンは旅マニアが武勇伝や珍道中を求めて旅行する国ではなく、心の古里を求める国だと思った。
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