相思岩(상사암:サンサアム)

三陵渓(삼능계:サムヌンゲ)は大磨崖仏の付近で崖のようになって終わる。崖に沿った道を上る相思岩に達する。相思岩とは、恋煩い(相思病)にかかった人の煩いを治したり、男の子を願う両親の願いをかなえるために、祈る岩である。

南山(남산:ナムサン)の中では珍しく土がある平らなところでそこに大きな岩がそそり立っている。岩の真ん中に長方形に彫られた穴があり、そこで祈祷をする。相思岩前の平地には寺跡があり、岩の下には南山で最も小さな石仏が置かれている。

新羅ではもともと大きな岩に霊力が宿っているという信仰があった。のちに仏教が入ってくるとそのような岩に仏像を彫り、寺を建てるようになった。そのために磨崖仏が多く彫られた。塔谷(탑골:タプゴル)磨崖仏仏谷(불곡:プルゴク)磨崖仏七仏庵(칠불암:チルプラム)磨崖仏などは典型的なものである。ここもその様な岩の前に寺が造られた例である。

南山は2つの山からなっているが、そのうちの一つ、金鰲山(금어산:クモサン)頂上まで近い。ここから別の道を降りていけば、薬水渓(약수계:ヤクスゲ)大磨崖仏まで行くことができる。

頂上近くを通っている南山循環道路を歩けば、茸長寺あと(용장사:ヨンジャンサ)も近い。南山循環道路は鮑石亭(포석정:ポソクチョン)の脇から始まって、潤乙渓磨崖仏(윤을계:ユヌルゲ)や富興寺(부흥사:プフンサ)の脇を通過して、南山洞双塔の脇までを結んでいる。車両通行止めである。南山洞双塔の近くには谷越に大磨崖仏を見ることができる。ただし、摩滅が激しい。

相思岩 石仏 循環道路沿いの
大磨崖仏
近くにある「浮石(부석:プソク)」
押すと「やじろべー」のように揺れる。
 
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