潤乙渓(윤을계:ユヌルゲ)
磨崖三尊仏

鮑石亭(포석정:ポソクチョン)の近くから南山を反対側に越える南山循環道路がある。かつては車が通れたが、崩落がはげしいため車両通行禁止になっている。この道は潤乙渓(윤을계:ユヌルゲ)にそって山の中に入っていく。この道を15分ほどすすみ、傾斜が急になり始めたところの左手に磨崖三尊仏がある。岩を「L字状」に二つ組み合わせ、片面に2体、もう一面に1体彫られている。

二体仏像のある面には、摩滅しているが「太和九年」の刻印がある、835年のことで、南山の仏像の中で唯一制作年の分かるものである。9世紀後半は新羅の国力が落ちてきた時期で、方々に地方政権ができてきた。地方では仏教芸術が盛んになるのに対して、慶州では反対に衰退してきた時期である。そのため、この仏像も平板な印象を受ける。

 
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