佐須奈港(通信使の港)
 
佐須奈は西海岸でも湾奥の深い風待ちによい港である。ここは、朝鮮通信使が江戸時代に復活して以来、通信使が最初に寄港する港となった。最初のうちは夏期は佐須奈、冬季は鰐浦であったが、鰐浦は湾の出口に岩礁があって航海が難しいことから、次第に佐須奈だけが使われるようになった。

佐須奈は千俵蒔山のそばにある。防人の居たところで今でも痕跡が残っている。釜山を出た船は、この山を目指して航海すれば、ほぼ一直線に佐須奈に入れるのである。佐須奈湾の湾口も朝鮮からの船を受け入れるかのように、朝鮮に向かって漏斗状に開いている。佐須奈に入った通信使は対馬の北端をまわって、東海岸から厳原へ向かって行った。

通信使に対する番所の跡は民家の奥、山手になるところにある。佐須奈港のまわりには平野がない。現在の平野はのちに埋め立てられた所だ。現在でも当時の石垣と、船に水を汲むための井戸が残されている。

井戸(ふたがしてある)と石垣 説明版 漁港の様子

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