羅原里五層石塔

慶州を流れる3本の川は合流して兄山江(형산강:ヒョンサンガ)となり、谷に挟まれた細い平野を日本海へ向け北にて流れていく。

谷に入り始めたところに羅原里(나원리:ナウォルリ)五層石塔がある。新羅時代の寺址である。ここに羅原寺(나원사:ナウォンサ)という寺があるが当時の寺とは関係ない。五層石塔は慶州では珍しく、他には獐項寺(장항사:チャンハンサ)五層石塔くらいしかない。高さは9.76メートルあって、感恩寺(감은사:カムンサ)の三層石塔につぐ大きさである。8世紀の作とされる。この塔は、いつまでたっても白い石の色のままなので、新羅八怪の1つに数えられていた。

寺跡についてはよく分かっていないが数段の段を築いていたようだ。塔は本堂の前ではなく、講堂の後ろの最も高いところに建てられている。通常塔は釈迦の骨を祀るもので、釈迦自体であると考えるために本堂の前に作るのであるが、本堂の後ろにつくるのは、この山自体が仏の国であることを象徴しているからだとされる。このような塔の建て方は、昌林寺三層石塔茸長寺三層石塔などにみられる。

川を挟んだ吾也里(오야리:オヤリ)にも石塔がある。三層の模磚石塔で本堂脇の岩の上に立てられている。こちらは破壊が激しい。

朝靄と五層石塔 寺跡の最も高いところにある塔 吾也里模磚石塔

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