昌林寺あと

昌林寺(창림사:チャンニムサ)は、南山の西(西南山)、鮑石亭(포석정:ポソクチョン)手前にある。南山の麓にある寺跡で、寺の境内はとても広かったものと思われる。

山の麓に段を作って、そこに寺を建てた。今でも礎石や双頭の亀趺がある。亀趺は四天王寺(사천왕사:サーチョナンサ)、武烈王陵(무열왕:ムヨルワン)のものとならんですばらしいとされる。だいぶ削れてはいるが、頭と甲羅の境などは写実的である。

寺の一番奥に南山で最も大きな三層の石塔がある。855年に文聖王(문성왕:ムンソンワン)の発願で建てられた。このころの石塔は塔の下に四天王や八部神衆など、仏の国を守るものを彫るものが多いが、ここのものも八部神衆が彫られている。特に阿修羅像は勢いがある。

塔は釈迦の化身であるから、普通は本堂の前に立てられる。ここのものは寺の一番奥で、もっとも小高いところである。その様なところに作って、山自体を仏の化身と考えたのかも知れない。このような小高いところに石塔を造る例は南山茸長寺(용장사:ヨンジャンサ)址羅原里(나원리:ナウォルリ)五層石塔などいくつか知られている。

この寺の近くにはいくつか寺跡が知られ、畑の中などに石塔の残骸が残っている。

双頭亀趺 修羅像 水田に転がる石塔の残骸
 
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