魔よけ
ヘテ(光化門) 朱雀、酉(勤政殿)

王宮は様々な形で災害などを避ける設備がある。一方で魔よけ的なものも多い。「光化門」にはヘテが置かれる。これは、風水的によい気の通っているところに作られた「景福宮(キョンボックン:경복궁)」であるが、気の流れ先にある「冠岳山」」クァナクサン:관악산)が火の山であるために火が王宮に入らないように火除けとして作られたという。
 
景福宮の入り口だけでなく、漢城の南口である「南大門(ナムデムン:남대문)」も、風水的に火を避ける名前である「崇礼門(スンネムン:숭예문)」と名付け、普通は横書きで作る額を特に縦書きにしたり、邪気が入らないように周囲の低いところに盛り土をしたりした。「ヘテ(海駝:해태)」は公正さを求める動物でもある。
 
勤政殿をはじめ建物にも様々なものが置かれる。建物の周りに「十二支」からなる石のオブジェが置かれ、各方向からの魔物を避けるし、建物の横には「トゥム(드므)」という洗面器のようなものが置かれる。火の悪魔がそこに顔を映しだしてあまりの醜さに帰ってしまうことを願っておかれる。また、屋根の上には空からの魔を避ける雑像(チャプサン:잡상)がある。何をモデルにしたかは解らないのだが、西遊記だという人もいる。慶会楼の「プルガサリ」をはじめこのようなものが数多く見られる。

トゥム 雑像(先頭は孫悟空とも) 慶会楼
(正体不明)

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