孔子廟

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大成殿 |
孔子廟は唐人屋敷や新地蔵所から離れた、旧大浦外国人居留地の中にある。安政の
五カ国条約で外国人居留地や領事裁判権が認められたが、清国はこの条約の対象外であった。その影響で唐人は唐人屋敷を離れて、大浦の外国人居留地に移って
いった。清国と条約が結ばれたのは1871年、明治4年のことであった。
唐人が多く移っていった大浦外国人居留地には孔子廟が建てられた。孔子廟は日本国内にいくつかあるが、ここのものは清国政府が認めた唯一の孔子廟である。
孔子を祀る大成殿を中心に、回廊が囲み、その周りに72賢人像が置かれている。日本人職人が建てた本格的な宙合建築である。現在の建物は1967年に大改
修されたもので、1982年に中国曲阜の協力で瑠璃瓦、石製欄干、石人、賢人、孔子を祀る聖龕など中国から運んできた。屋根瓦が黄色いのも中国式。
大成殿の中には5つの位牌が祀られている。孔子の五代祖を祀ったものである。もともと、崇聖詞と呼ばれる霊廟がここにあって、祀られていたものである。なお、この位牌が仏教に入って、仏教の位牌となった。
大成殿の後ろには「中国歴代博物館」がある。中国政府の日本唯一の常設博物館である。