善徳(선덕)女王陵(狼山)
善徳女王陵

善徳女王(선덕왕:ソンドクワン)は伝説の多い王だ。新羅が力をつけはじめ、いよいよ三国統一に向けて走り出した頃の女王で、送られた絵を見て敵が潜んでいることを予知したりした。また、芬皇寺瞻星台を作らせたのもこの王だ。善徳女王は死ぬときにも謎に満ちたことを言った。自分が死んだ後、仏の国である忉利天に埋葬してほしいというのだ。家臣が狼山(낭산:ナンサン)に埋葬したところ、後に麓に仏の国を守る神、四天王を奉った四天王寺ができて、狼山が仏の国であることが実証されたというのだ。

ともあれ、善徳女王の陵は狼山の頂上にある。古墳のまわりは丸い護石で押さえられている。古墳を押さえる護石は時代とともに変化していき、最後には掛陵(괘능:ケヌン)などに見られるような板状の腰石に十二支像が彫り込まれるようになる。その様な王陵が狼山から南へと点々と続く。近くの神文王(신문왕:シンムヌァン)陵は十二支がはめ込まれるようになる少し前の形といわれる。

狼山の麓に衆生寺(중생사:チュンセンサ)がある。ここには金剛力士の彫られた磨崖三尊蔵 がある。また、山の反対側には皇福寺(황복사:ファンボクサ)跡とされる九黄洞(구황동クファンドン)三層石塔がある。神文王と妃、その子の孝照王(효소왕:ヒョソワン)の3人を弔うために聖徳王(성덕왕:ソンドクワン)が706年に建てたものである。新羅の石塔の典型的なスタイルが完成したといわれる塔である。

神文王陵。腰石が平石になり、三角の石が支える 九黄洞三層石塔 衆生寺磨崖三尊像の一つ
 
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