カラカミ(唐神)遺跡

カラカミ遺跡

郷ノ浦から車で15分 ほど。標高30mから90mの斜面にある。遠くに岳の辻を臨む場所にある。広さは約5ha。往事は片苗湾が奥まで入り込み、この遺跡の近くまで来ていた。そのため、朝鮮半島や対馬 との往来のしやすい場所 であった。低地に作られた原の辻遺跡に対して高地の環濠集 落である。原の辻の人口が増加したため周辺に広がっていった人々が作った集落ではないかとされる。2世紀後半の倭国大乱のときに原の辻、車出と連合体を組 んで結束したようだ。

約2200年前から1700年前の弥生時代の遺跡で漁労関係のものが多い。多くの鉄 製品も出たが、楽浪系統の漢式土器や、三韓土器が出土した。また、占いを盛んに行っていることを示す卜骨も出土した。これらの事から漁労を中心とする集落 で、原の辻や朝鮮半島と交易を行っていたと考えられている。この集落も原の辻と同じく衰退していった。

遺跡のわきに香良加美神社と掘られた祠がある。韓神、唐神などの字が当てられる場合もある。壱岐の入り江で座礁した唐船の船魂を祀ったと言われる。だが、 カラ=唐=加羅、カミ=神に通じるので、「加羅の神の神社」とも読むことが出来る。弥生時 代、弁韓と北九州地域との交流は盛んで、一つの文化圏と考えられる場所であった。土器などからも弁韓との関係を考えても良いように思われる。




遠景は岳の辻 香良加美神社直下。環濠の一部(11年) 香良加美神社

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