原の辻遺跡

遠景

芦辺港から車で10分ほど。紀元前2世紀から紀元3、4世紀頃にかけての、標高20mほどの台地に経営された大規模な環濠集落である。内海湾から籏鉾川を遡ったところにあり、弥生時代中期には東 西350m、南北750mにわたる三重の環濠で囲まれていた。この時代の集落遺跡は他に車出遺跡、カラカミ遺跡があるが、原の辻遺跡が圧倒的に規模が大きいことと、船着き場が出てきたために、『魏志倭人伝』の「一支国」の王都と特定された。発掘は継続中である。

遺跡からは祭祀遺跡や墓域も発見されている。また、朝鮮半島計の土器も多数出土するが、出土の形態から弥生人と渡来人が一緒に生活していたことがわかるとされる。さらに、調理済みのイヌの骨もでてくる。犬食も大陸の文化であって、日本には余り広がらなかったとされる。

3,4世紀ごろになると、原の辻などの壱岐の集落よりも伊都国の方が繁栄し、そちらで厚葬墓が出現するようになる。壱岐は交易地点から中継地点に変わったと考えられている。




遺跡の案内図(原の辻資料館) 中央付近道路が船着き場跡 付近は長崎随一の穀倉地帯

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