圜丘壇
(환궁단:ファングンダン)

圜丘壇はソウル市庁前、朝鮮(조선:チョースン)ホテルの敷地にある。皇帝が天と地を祀るために作られた場所である。本来朝鮮は王が国を治めていたから天を祀ることは出来なかった。地と五穀の神を祀るために作られたのは社稷壇であった。
 
1897年、朝鮮国王だった高宗(고종:コジョン)は皇帝になることを宣言する。1895年、日清戦争のときに日本と清が結んだ下関条約で「朝鮮は自主の邦」とされて、それまでの冊封関係が終わったことと、その後明成皇后が日本人によって殺害されて、国の独立を内外に宣言する必要を観じたためである。そのため、それまでロシア公使館に避難していた高宗は皇帝になる宣言をして、慶雲宮(今の徳寿宮)で執務することとした。
 
それと併せて、圜丘壇が作られた。皇帝は天を祀る必要があるからである。北京の天壇と同じもので、ここで高宗は天に向かって政治をすることを宣言した。もともと3段の石段の上に黄色い円柱をおいていたが、これは壊されて今はない。入り口の門の前には石板が残されているが、皇帝を象徴する竜が彫られている。徳寿宮以外の王宮では王の象徴である鳳凰が彫られているのだ。
 
現在、残っているのは天地の位版を納めていた皇穹宇(황궁우:ファングンウ)と高宗の40歳の誕生日を祝って作った石鼓壇(석고단:ソッコダン)が残っているだけである。
 
門(朝鮮ホテルより入る) 竜が彫られた石板 石鼓壇

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