雁鴨池(안압지:アナプチ)
入り口より 対岸より 建物の復元模型
 
雁鴨池(안압지:アナプチ)は月城(월성:ウォルソン)の向側、道路を挟んだところにある。月城が新羅の王宮に対して、こちらは離宮で、外国からの使節を接待する臨海殿(임해전:イメジョン)があったり、皇太子にあたる東宮の家があったりした。これらの建物の跡は、韓国が独立した後の発掘調査で確認され、その跡に石が置かれている。

池は建物のある方は石で直線的に作られているが、反対側は自然の曲線で入り江が作られ、海の石が置かれている。慶州は海から離れているので、池が海につながっていることを連想させるように入り江の奥が完全に見渡せないようにしたといわれる。そのために海の石を庭石としたし、池に面している建物を臨海殿としたといわれる。池の中には島が作られて、仙人がすんでいるといわれる方丈仙山の様子が再現されている。

このような自然を活かした池の作り方流は、百済から新羅や日本に伝えられて、日本の庭の原形となっている。池の水は亀形の水受けを通じて流していた。この形が、飛鳥時代の斉明天皇(7世紀半ば)の離宮にあった亀石とよく似ていて、雁鴨池(안압지:アナプチ)の作られた時期と近く(こちらも7世紀半ばとされる)注目される。

雁鴨池の裏を慶州から蔚山(울산:ウルサン)へ行く鉄道が通っているが、戦前は雁鴨池の南側を軽便鉄道で抜けていた。その跡は、今も雁鴨池の外側に用水路となって残っている。

雁鴨池遠景 水受けの亀 (参考)飛鳥の亀
 
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