極楽殿
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極楽殿(극락전:クンナクチョン)は阿弥陀仏(아미타불:アミタブル)を祀ったところである。阿弥陀如来は自分が菩薩になったときには、衆生を成仏させたいなど48の発願をして、成仏して西方の極楽浄土の教主となった。
阿弥陀如来を念仏すれば、この世の生を終えても、次には西方極楽浄土の「宝池」の「蓮華」の上に往生し、「心安らかに」生活できるとされる。この浄土教の教えは日本でも平安時代から流行したが、新羅でも8世紀後半から流行していた。華厳経は国を守るための思想に使われたが、浄土教は個人が信仰するための思想である。日本でも新羅でもこのころから仏教が新しい姿を見せ始めたのである。
この話に沿うように、極楽殿は、大雄殿の西方にならべてつくられ、衆生を救うため大雄殿よりも一段低く作られ、衆生との近さを表している。入り口の階段は蓮華橋(연화교:ヨンファギョ)、七宝橋(칠보교:チルボギョ)とよばれ、門は安養門(안양문:アニャンムン)と名付けられる。また、大雄殿から降りてくる階段は16段であるが、3列にわけられ、16×3=48…48の発願を表している。
極楽殿の本尊、阿弥陀如来像も新羅時代に作られた仏像である。