道教思想は早い時期から日本に流入した。 道教は中国人(漢民族)の民族信仰であるが、 気を取り込んで不老不死を求める宗教である。 不老不死が出来る人のことを仙人という。
もともとアニミズムに始まるもの(東アジア一体に広がる)であるが、 老荘思想、仏教思想、儒教思想などを取り込んで成立した。 一応の成立は7世紀頃、遣唐使船が盛んに往来していた頃である。 さらに13世紀頃に大きく変容し、海の神である媽祖信仰や関羽の信仰が取り込まれた。 13世紀頃、 日本では鎌倉時代、中国では宋が、朝鮮では高麗が成立した大きな変動期であった。
道教では多様なものを信仰するが、代表的なものは 1.神仙(蓬莱など)信仰 cf.徐福、 2.五山信仰、 3.気を取り込む→薬(仙薬)、 4.北斗七星信仰などがある。
このような道教文化が遣唐使船などによって日本に導入され、一時期流行する。 斉明天皇陵などは八角形に作られているが、 これも道教で最高の数である「八」から来ている。 八幡も八つの幡で道教に由来するものである。 道教、仏教、神道が習合しているものが八幡信仰になった。 その他に、陰陽道、五行、修験道(鏡、薬、九字)、神仙、 風水、庚申信仰などに道教文化の影響が見られる。 天皇という言葉も、天皇大帝に由来するという。 さらに、お札やおみくじ、三里の灸、中元、鍾馗様も道教由来である。(おわり)
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