キリスト教 0.前提 宗教の分け方 ア.信仰の広がりから ・アニミズム ・民族宗教(神道、道教、ヒンドゥー教、ユダヤ教など) =その民族、地域でしか信仰できない要素が入っている。 神道の神は「大八洲」を作った神で、外の地域は作っていない。 ・世界宗教(仏教、キリスト教、イスラム教) =開祖、教義、経典がしっかり存在し、民族を離れて信仰できる要素がある。 儒教は宗教扱い出ないから注意すること。 イ.神の数から ・一神教 キリスト教、ユダヤ教、イスラム教 ・多神教 その他の多くの宗教 1.ユダヤ教 キリスト教の原型。 経典:聖書(旧約)…新約はイエスの死により新たに神と契約を結んだと考えることから来た。 神:ヤハウェ(エホバ)。唯一神、人格神。 始祖:アブラハム(イエスの言葉にアブラハムは出てくる) 元々遊牧の民。砂漠の民だから、少しでも勝手な行動をすると、それは死を意味する。 家父長の力が強くなる。また、砂漠と空しかない所で生活するから、自分たちは天に 支配されていると考えるように、一神教の素地があった。 紀元前20世紀ころ、イスラエル人はカナンの地に定住。 (カナンは今のパレスチナ。ユダヤ人が分散してから2000年後にこの地にユダヤ人が集まり、 そこに神の王国ができるという思想がある。それが、現在のことで、パレスチナ問題の 元である(第一次世界大戦の問題は扱わない)) 一部はエジプトに移る。 だが、エジプトで奴隷のような生活になり、 紀元前13世紀頃、預言者(×予言者)モーセに率いられて、エジプトを脱出した。 後ろからエジプト兵が追いかけてきたが、海が割れて、その底を通ってシナイ半島に 抜け出せるという奇蹟が起きたとされる。 その後、モーセはシナイ山で神と契約を結ぶ(シナイ契約)。 恩恵(神の王国) −−−−−−−−→ 神 イスラエル人(選民思想) ←−−−−−−−− 律法(トーラー)を守る 律法を守れば、神は救ってくれる一方、律法を守らなければ破滅があることになる。 その後、紀元前11世紀ころイスラエル王国建国。ソロモン、ダビデ王の頃最盛期を迎えた。 だが、イスラエル王国は南北に分裂し、ついに紀元前586年、バビロンに捕囚される(〜537)。 神に守られるはずだったユダヤ人がなぜ捕囚されるような事態になったのか。 すでに滅亡は預言者イザヤやエレミアによって預言されていた。彼らが言うには、 偶像崇拝を行った。 多神教を信仰したなどであった。 (アラブ地域は、多神教崇拝が広がっていた) 神の罰があったわけだ。 そこで、神を信仰してこそ、ユダヤ人は神に救済されると自覚するようになり、 宗教を軸に民族が結集することとなった(民族宗教としてのユダヤ教の成立) しかし、ユダヤ人はなお苦しみを受ける。ローマの支配下になったのだ。 人びとの間に、終末思想が急速に広がった。苦しみの先には「神の王国」が待っているが、 そのときに現れるとされる、救世主(メシア=油を注がれし者)を待望した。 (メシアを名乗った者はイエス以外に数人いた) だが、この時のユダヤ教の指導層は大きく2つに別れていた。 バリサイ派=律法主義者:律法を厳格に守ることで、神に救済される。 →守ることが出来ない人(身体条件も含めて)は救済されない。「罪人(ツミビト)」 サドカイ派=祭祀集団 困難に陥っている人を救済することはできないのである。そんなときに登場した人がイエスであった。
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