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2014年6月7日
日本史 20140606(2) 幕末の文化(1)
幕末の文化
幕末は開国の影響を受けて社会不安に陥っていた。そのため特異な状況が現れた。


@世直し一揆
開国後の経済変動と物価騰貴は農村を窮乏に陥れた。
一方で幕藩体制の動揺によって、一揆は政治的色彩を帯びるようになった。
すなわち、単なる年貢の減免ではなく、年貢自体の廃止を訴えたり、
村の役人の更迭を求めるようなものとなった。

これらは体制が安定したら、攻撃の対象とは出来ないことである。

このような『世直し一揆』が頻発した。ピークは1866年であった。
この年の物価上昇率が大きかったからで、
農村のみならず、江戸でも打ち壊しが起きた。

A民衆宗教(新興宗教ブーム)
一般に社会不安に陥ったとき、新興宗教ブームが起きる。
社会が安定しているときは、
自分の不安などを既存の宗教が吸収することができるが、
社会の変動が大きいと、既存の宗教では不安を吸収することが出来なくなる。
そこで、混乱後の希望、理想社会の修験を願って新興宗教が登場する。

鎌倉時代の新仏教もそうだが、幕末以来でも4回新興宗教ブームが起きている。
1回目は幕末、2回目は大正末から昭和初、3回目は終戦直後。「踊る宗教」など。
4回目は1980年代から現在まで。オウム真理教もこの一つ。
悲惨な事件をおこしているが、
そういう教団が一定の受け皿の役割をしてしまったということでもある。

幕末は、混乱状況を世界の終焉ととらえ、理想世界の出現を願う風潮が強かった。
こういうときに、教祖が神がかりによって起こした宗教が民衆宗教である。
すなわち、神の声を民に伝える役割をしているシャマン的要素を持っている。
(日本では、いたこ、ユタがこれにあたるし、神道も原形はこれ。
 また、新興宗教にシャマン的要素が認められるものが多い。)

多くの教祖が、本来は勤勉実直なのだが、あるとき病気のような体験をする。
その後神秘体験をへて教祖となっている。

幕末は神道系の民衆宗教と共に、弥勒下生信仰が登場した。
(弥勒信仰は日本では殆ど登場しない)

cf.弥勒下生信仰
弥勒はシャカの次にブッダになることを約束されている菩薩。
56億7千万年後に悟りを開くために、浄土で瞑想している。
その弥勒が悟りを開くと、
この世に下生して、その説法により衆生を悟らせるというもの。

その悟りを開くのがいつか…「今だ」として弥勒の下生を願う信仰。

では、このような思想の流れに基づいて誕生した宗教は何か。
@黒住教(備前 黒住宗忠)アマテラスと自分が一体となる神秘体験。
     「病気直し」を行う。
     信者が岡山から京都まで広がる。
     アマテラスが皇祖神であることから、
     宗忠を祀った京都宗忠神社は尊王攘夷運藤の拠点となる。
A天理教(大和 中山みき)世界を助ける「てんりんわう」が降りて吉良枯れる。
     安産と病気直し/陽気ぐらし
B金光教(備中 赤沢文治)
C丸山教(武蔵橘樹郡 伊藤六兵衛)
Posted by hajimet at 10:36 | Comments (0)

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