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2014年5月30日 |
倫理 20140530 パーソナリティーの形成 |
青年期のまとめ。 パーソナリティーの形成。 1.個性と価値観。 人は自然環境、社会環境と調和、適応する。 社会環境…公園、学校、商店街、交通機関の便利さ等々 それに自ら合わせたり(半袖、地震に耐える建物)、 自ら作り替えたりする (冷暖房、溜池(武蔵野台地の溜池群)、川の付け替え(荒川放水路))。 cf.国木田独歩『武蔵野』 武蔵野の原風景が「雑木林」というのは間違い。 もともと火山灰台地であって、水はけが良い。水を得るために用水を掘ったり、 井戸を掘ったりした(マイマイズ井戸)。新田開発のために、腐葉土を得たり、 防風林としての役割で植樹したものが雑木林化した(新田集落)。 個性は人それぞれ独自性(自我…他人との違い)を意識するもの。 青年期以前は「個性」の違いまでは意識していない。 個性は3要素にわけられる。それは 能力(知能、技能)、 気質(情緒=喜怒哀楽の継続的な現れ方。気分など)、 性格(意志的能力=能力と気質をコントロール)であり、 人によりどれが強く出るかは異なる。 また、性格は後天的に形成されるもので、行動、態度の積み重ねで形成される。 これを類型化した人もいる。 クレッチマー(生徒は誰々はこれか等と騒ぐ)、ユング、シュプランガーなど。 クレッチマーは犯罪者の体系的特徴を元に体型と気質を関連づけたが、 これは優生学やヒトラーの思想に繋がるもので、現在は否定されている。 (危険な人、素質のある人は「消せ」ということになる。) こういう分け方があったと言うことだけ知っておいて欲しい。 ユングは精神学者としてフロイトともに知られる。内向、外向 シュプランガーは文化的価値をどこにおくかに注目した。 改めて、性格は個人の全体的特徴である。 英語ではパーソナリティー。ラテン語のペルソナ(仮面)から来る。 仮面は性格を表すものだからで、歌舞伎の隈取りも同じ。 赤は正義、怒り、青は悪人。 性格は遺伝的要素+教育、学習(環境、主体)によって形成される。 だから、形成する為、自己を変えるための意思と努力が必要。 そして、青年期はそのような個性の確立期にあたる。 青年期は「モラトリアム」の時期で社会に出る猶予をされている時期である。 成人に入りきれない独特な時期で、社会にでることを待つ時期である。 したがって、その時期に色々なことを身につける必要がある。 同時に、それは「マージナルマン」であって、子供でも成人でもできないことが 出来る時期である。 さらに、学校に学びに来ている。学校=スクールはギリシア語のスコーレから 来ているが、「スコーレ」とは「余暇」のことである。 だから、その余裕を利用して、本などを読んで、自分を追求するべきだし、 他人の考え方に触れることも必要(教科としての倫理の必要性)。 そのなかで個性化(あるべき自分)と社会化(社会の成員)を身につけ、 自己の価値観、生き方をみつけ、ふさわしい進路を見付ける。 すなわち、職業選択、理想像を形成する。 ところで、エリクソンはライフサイクルの中で、青年期の発達課題を 「アインデンティティ(自我同一性…自己か?)の確立」とした。 「『私は』だれ?」「『私は』社会にいかに貢献するか」の答えがそれである。 (「私が」が主語になっていることに注意。) 一方で自分自身が分からなくなると、「アイデンティティが拡散」し、 「アイデンティティの危機」に陥る。 そうなると、ステューデントアパシー、青い鳥症候群、ピーターパン症候群、 パラサイトシングルなどの現象が起こる。 拡散しつつも収斂させることが必要である。 さらにハヴィガーストも青年期の発達課題を挙げている。 その中で「価値や倫理の体系を学習し、適切な科学的世界像を形成すること」が 課題としてあげられている。 そのようなヒントとして、 過去の人の考え方について、これから触れていくことにする。 ギリシアに入る前に神話から入っていく。 |
Posted by hajimet at 20:51
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