濃音の練習。
まず가-까、다-따、바-빠、자-짜、사-싸と発音してみせる。
生徒:?。 「ね、違うだろ?、もう一回「가-까」 生徒:違うっかな?
ティッシュを口の前に当てる。 ほら、가は少し動くけど、까は動かないだろ? ちなみに、카はこう(大抵受ける)。
では、練習しよう。 実は日本語でも似た音がある。
(学校によっては、日本語で似た音がある方が習得しにくい。 ㅓ、ㅗのように、日本語にないものはそのまま覚えれば良い。 しかし似た音があり、使う場面も違うとともに、 無意識に出しているために習得が難しいという話しもする。)
まず까をやろう。 日本語で「うっかり」て言ってみて。 「っ」のときの舌の状態はどうかな?」 …口の形は意識したことがないから、大抵『わかんな〜い』という反応が出る。
じゃあ、舌の前が歯についているかな? 生徒:ついてません。 舌の後ろはどうなってるかな? 生徒:わかんな〜い。
実は、こうなっているんだね(腕と手を舌と歯に見立てて説明)。 下の後ろが上がっているのだ。 なお、「うっかり」は욱가리(욱까리)なのだと言うことを文字でも説明する場合もある。 …これで感覚をつかめると、後が早い。
もう一回「うっかり」いおう。せ〜の。「うっかり」 じゃあ「っ」を意識しながら、「うっっっっっかり(욱ㄱㄱㄱㄱ가리)」と言ってみよう(数回反復)。 「か」の前で力をぬかないように(コツが必要)
「出来るかな(ちょっとにやついて)?、『っっっっっっかり』ていえるかな」。 最初は出来ないさっきの「っ」の時の口の形を思い出して 少しだけ、喉に力を入れて。「っかり」「っか」
じゃあ、ティッシュを当ててみよう。揺れなかったらOK。
同じ要領で、「まったり(따)」「やっぱり(빠)」「まっちゃ(짜)」「あっさり(싸)」と練習。 「っ」の口と舌の形が違うことの気がつかせる。 (맏따리、얍빠리、맞짜、앗싸리の받침部分だから、当然異なるが、 日本語としてそれを意識することはない) 教科書は「ぽっちゃり」を使っているが、実際に教室で扱ってみると、あまり適切でないようだ。
なお、学校によっては、まっちゃあたりからは自分でやらせている。 その後ティッシュをかざして、平音、激音、濃音と練習する。
最後に달(月)、 탈(仮面)、 딸(娘) 방(部屋)、 팡(銃声パン)、빵(パン) 자다(寝る)、차다(冷たい)、짜다(苦い)を紹介して、
聞き取れなくて良いから、発音は意識しなければならないと言うことを話す。
多くは文脈で分かるし、発音癖から分かってもらえるが、 しょっぱいと文句を言ったのに、冷たいと勘違いされて煮詰まって出てきたとか、 パン屋で「家はパン屋だけど、あんたに貸す部屋はないよ」と言われたという話をする。
そして、最後:実は…表向きは濃音の練習だが、 実は、舌の動きや口の形を意識させることがテーマ。 口の形、中を意識することが、発音については上達のコツだから。
同時に、普段意識したことのないことを意識させる「無意識の意識化」に繋がると考える。
今後の授業では(少なくとも初級クラスでは)、区別については曖昧に進めていくことにしている。あまり厳格にやると、1年これで終わってしまうから。
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