日本仏教 単元:仏教 本時:前回般若心経を通じて、仏教思想も日本化されていることを見た。そこで、本時では日本でどのように仏教思想が受け入れられていたか、本格的に日本仏教が展開する鎌倉仏教の入口までを見ることにする。 1. 6世紀に受容 当初は藩神として受容される(蘇我氏と物部氏)=文化を豊にすることに繋がる …和辻哲郎:そのような日本の文化状況を「文化の重層性」という言葉で示した。 2. 聖徳太子 十七条の憲法(凡夫) 三教義疏(教義をまとめたとされる) 「世間これ虚仮…」 cf. 中宮寺 3. 奈良時代:鎮護(護国)仏教。 この国は仏国土。王は仏陀(弥勒)の化身。律令制度とペアの考え 聖武天皇(国分寺、大仏など)、鑑真(受戒制度)、南都六宗(仏教)。 (この辺は新羅仏教と関連づけて話しても面白い… 奈良の大仏が毘盧遮那ということは、韓国で主流の華厳経の影響)。 4. 平安時代:現世利益を求める仏教 律令制の緩み→護国より現世利益を求める。対象も貴族から庶民へ。 最澄:延暦寺を開き、独自の受戒制度(死後6日後に許可)、 法華経を中心に「一切衆生悉有仏性」をとく なぜ法華経か→教相判釈〔の言葉は使わずに〕について解説)。 空海:真言密教に基づき金剛峯寺を起こす。 宇宙の原理を支配する大日如来信仰を行う(大日が出てきたら密教系)。 「自然」と「宇宙」の融合を目指す感覚が日本にあった(教科書より) 5.仏教の土着化: (1) 神仏習合:神宮寺、修験道など 本地垂迹説:仏陀が孔子、神として姿を変えて現れる=権現 (余裕のあるクラスは「今昔物語」の編成)。 (2)末法思想:社会不安→鎌倉仏教へ 日本では1052年から末法とされ、藤原頼通はこれによって平等院鳳凰堂を建てる。 鳳凰堂を池の中の島に建て、中には阿弥陀如来がいる。浄土信仰のあらわれ。 不安の世に現世でなく、浄土にすがろうとしたが 人が死ぬときは、大騒ぎして阿弥陀をお迎えしたと伝えられる。 空也(阿弥陀聖)や源信(厭離穢土、欣求浄土):阿弥陀への帰依をとく、 法然:「南無阿弥陀仏」のみ唱えれば良いという浄土宗を起こす。 親鸞:した法然、浄土真宗を起こす。 日蓮:日蓮宗 末法の世、法華経に帰依し、「南無妙法蓮華経」を唱えれば良い 浄土信仰:このころの東アジアに共通の信仰(唐、新羅の末期)。 日蓮の思想:日本独自。 ◎何れも大陸の複雑な教義を単純化したところに特徴がある。 題目などを唱えれば「おのずから」救われるという日本の思想の特徴から来る (教科書より)。
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