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2013年4月3日
般若心経(大乗思想と日韓での変遷)

般若心経
 
単元 仏教
     インド思想
     カースト制とバラモン教
     仏陀の生涯
     仏陀の悟りと原始仏教
     部派仏教よ上座部仏教
     大乗仏教(2時間)
     般若心経(大乗思想と日韓での変遷)…本時
     日本仏教(鎌倉以前)
 
目標。般若心経を読み下すことで、大乗思想(既習)がどう語られているかを確認すると共に、
    般若心経が日中韓各国でどう捉えられているか、
    特に日本でどう変容していったのかについて学習する。
     
1.導入
 「般若心経」の書いてあるプリントを配り、音を聞かせる。
 
2.展開(1) 
 摩訶般若波羅蜜多心経の解説:大乗思想がどう読み込まれているか。
  4世紀頃成立。
  観自在菩薩=観音がシャーリプトラに語る形式
    すべてが空であることを観音は悟ったが、それは色即是空ということである。
    六根も六境も六識も「無」であり、四諦も無云々を「漢文風に読みながら説明」
 
    菩提菩陀:般若波羅蜜によるため
       アノクタラサンミャクサンボダイ(この上ない悟り)を得る。
          三菩提:完全な悟り(三=完全〔英語のSum、菩提=悟り〕。
 
   この道は偉大なマントラ=真言であって、ギャテーを唱える。
 
まとめ
 ・そのための導入…プリント配布
 「般若心経」の構成をまとめたものと、「如是我聞」で始まる般若心経、絵文字の般若心経。
  サンスクリット版を一部聞かせ、
   本当にアノクタラサンミャクサンボダイとか、マントラとか、ガーテーと言っていることを確認。     
   日本の般若心経、韓国の般若心経を聞かせる(2クラスは盛りあがる)。
 
 ・日中韓で般若心経のとらえ方が異なる(仏教自体も違う宗教と考えた方がよい)。
    ・中国:禅として。
    ・韓国:仏教の真理を強調する経典として
     →禅の思想よりも、最高の知恵を生み出す功徳の経典と捉えられている。
    ・日本:(1)禅のため、(2)神道との融合、(3)マントラを強調した呪術として
 
日本の場合、
 (1) 経典を音読みで読む。
   中国ではある程度聞いていて意味が分かるが、日本ではわけの分からないもの。
   わけが分からない物を不思議なもの=「有り、難い」ものと捕らえ、
   ここに霊力があると考える(神道との融合)。
 
(2) 写経(日本独自のもの)、
   仏説=真理の書いてある般若心経自身が霊的な「パワー」を持つものと考える。
   書かれている般若心経自体が「パワースポット」なのである。
   だから、写経をしてパワーを受けることになる。
 
(3) マントラの呪術:
   夏のテレビで放映される除霊シーンで唱えられる経典=「般若心経」。
   これを唱えて霊を追い出す。
     →「般若波羅蜜多」の力に注目したもの(密教系の流れになる。)
 
次回:般若心経が日本では独自のものになったように、日本仏教の特徴は何か。
 

Posted by hajimet at 10:48 | Comments (0)

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