般若心経 単元 仏教 インド思想 カースト制とバラモン教 仏陀の生涯 仏陀の悟りと原始仏教 部派仏教よ上座部仏教 大乗仏教(2時間) 般若心経(大乗思想と日韓での変遷)…本時 日本仏教(鎌倉以前) 目標。般若心経を読み下すことで、大乗思想(既習)がどう語られているかを確認すると共に、 般若心経が日中韓各国でどう捉えられているか、 特に日本でどう変容していったのかについて学習する。 1.導入 「般若心経」の書いてあるプリントを配り、音を聞かせる。 2.展開(1) 摩訶般若波羅蜜多心経の解説:大乗思想がどう読み込まれているか。 4世紀頃成立。 観自在菩薩=観音がシャーリプトラに語る形式 すべてが空であることを観音は悟ったが、それは色即是空ということである。 六根も六境も六識も「無」であり、四諦も無云々を「漢文風に読みながら説明」 菩提菩陀:般若波羅蜜によるため アノクタラサンミャクサンボダイ(この上ない悟り)を得る。 三菩提:完全な悟り(三=完全〔英語のSum、菩提=悟り〕。 この道は偉大なマントラ=真言であって、ギャテーを唱える。 まとめ ・そのための導入…プリント配布 「般若心経」の構成をまとめたものと、「如是我聞」で始まる般若心経、絵文字の般若心経。 サンスクリット版を一部聞かせ、 本当にアノクタラサンミャクサンボダイとか、マントラとか、ガーテーと言っていることを確認。 日本の般若心経、韓国の般若心経を聞かせる(2クラスは盛りあがる)。 ・日中韓で般若心経のとらえ方が異なる(仏教自体も違う宗教と考えた方がよい)。 ・中国:禅として。 ・韓国:仏教の真理を強調する経典として →禅の思想よりも、最高の知恵を生み出す功徳の経典と捉えられている。 ・日本:(1)禅のため、(2)神道との融合、(3)マントラを強調した呪術として。 日本の場合、 (1) 経典を音読みで読む。 中国ではある程度聞いていて意味が分かるが、日本ではわけの分からないもの。 わけが分からない物を不思議なもの=「有り、難い」ものと捕らえ、 ここに霊力があると考える(神道との融合)。 (2) 写経(日本独自のもの)、 仏説=真理の書いてある般若心経自身が霊的な「パワー」を持つものと考える。 書かれている般若心経自体が「パワースポット」なのである。 だから、写経をしてパワーを受けることになる。 (3) マントラの呪術: 夏のテレビで放映される除霊シーンで唱えられる経典=「般若心経」。 これを唱えて霊を追い出す。 →「般若波羅蜜多」の力に注目したもの(密教系の流れになる。) 次回:般若心経が日本では独自のものになったように、日本仏教の特徴は何か。
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