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2005年12月9日
諏訪、山梨

ここのところ、めちゃめちゃ忙しかった。本作成の最終工程(まもなく出版)もあり、夜も寝られない状態がかなり長く続いた。(ついでに20年ぶりに楽器を買い換え、こちらは満足)。でも、その本の写真撮影のおかげで、春以来いろいろなところに行くことが出来たのだから、疲れたなどとはいっていられない。といっても、終わってしまえば、気も抜けるものである。
 
で、息抜きをかねて諏訪方面へ行ってきた。甲府駅で降り、知人の車で中央自動車道をとばす。左に甲斐巨摩を、右に八ヶ岳の雄大な山裾を眺めつつ車は進む。この山、もともと火山だが、諏訪湖の南側から見るとその雄大な山裾が富士山の裾野に似ていて、いかにも火山であるという様子が見える。紅葉のピークは過ぎ「遅れモミジ」になっていたが、途中の山々は山裾は「秋」、山の上は「冬」で、峰々には雪がうっすら積もっていた。
 
諏訪の町を通過して、下諏訪大社まで行く。神社の脇の川を進むと、万治の石仏があらわれる。岡本太郎が見つけたという話だが、奇怪な形をした石仏である。大きな石の上に石仏の首が乗っている。日本的な石仏というより、韓国で見られる石仏に似ているのだ。見た途端に、頭は韓国安東のチェビ庵の石仏の仏頭(高麗時代)、胴体は韓国慶州の三陵渓磨崖石仏(新羅時代)を、背中は韓国扶余定林寺の石仏(百済時代)を連想してしまった。時代的に直接の影響があるとは思えないが、それにしてもよく似ている。
 
諏訪大社で御柱を眺める。あたりの神社の祠のまわりには、どこにも御柱が立てられている。昼食後諏訪湖を一周し、国道20号線を甲府へ向かう。左に八ヶ岳が崩壊して出来た韮崎岩屑流を見ながら進む。いかにももろそうな岩壁の下を釜無川が峡谷状に谷を刻んでいる。谷のまわりには岩がごろごろとしていて、荒涼たる風景の場所もある。
 
白州でサントリーの工場を見学。「南アルプスの天然水」の工場のあるところである。後ろの山から平野に出る扇状地の上で、いかにも美味しい伏流水の豊富そうな地形をしている。この生のウィスキー工場を見学。知人とばったりあったりしながら、コースを回る。まずつけ込み、蒸留工場。小麦と麹をつけるので、入り口では醤油工場と同じような甘い香りが漂っていた。ここで3日間つけ込むのだが、1日目と2日目では発行の仕方が違う。
 
それから、樽焼きの現場へ。熟成する樽の力が落ちると焼いて復活させるそうで、最初はウィスキーのアルコールが燃え、それから木に火がつく。その貯蔵庫へ。入るだけで酔いそうな香りの強さだ。そして試飲コーナー。無料と有料があるが、有料の方で30年ものの樽酒原酒を飲んできた。少しどっしり落ち着いた感じの香りになっていた。
 
サントリーに続いて、近くの七賢の絞りたての新酒を堪能し、一拍。
 
翌日は昇仙峡へ。以前谷を歩いて、ロープーウェイの乗り場まで行ったのだが、その乗り場付近の様子しか覚えていなかった。今回はロープーウェー乗り場まで行きそこから谷を半分くらい歩いて降りた。あたりは雪がちらつく。仙峨滝をみて、屹立する花こう岩の狭い岩の間を降りる。川がものすごい勾配を流れ落ちる。谷底にも直径が10メートル近くにもなる岩がごろごろしていた。岩にも夢の松島とか、天狗岩など様々な名前が付けられている。前を親子連れが歩く。
 
今度は下まで車で降りて、1qほど谷を遡る。こちらは雨。先にメインの滝付近を見たせいか、谷が落ち着いて見える。あたりには、猿岩、大仏岩、大砲岩、オットセイ岩、猫岩などと名付けられた岩がある。ほとんど想像力の世界だが、良く名付けられたなというくらい、本物を連想させるものもあった。徐々に花こう岩の中心の世界になっていく(なぜか、堆積岩の丸い石が積み重なっているところもあったが)。韓国の山歩きの時に見慣れた風景になってきた。韓国の山は花こう岩中心だからだ。
 
ただし、昇仙峡の方が木が多く、水が豊富に流れている。表土が少ないせいか、杉や檜はほとんどなく、マツが中心の所はよく似ているが、岩の割れ目にまで木々が根をはって茂っているところは、韓国ではあまり見ない。そんなことを考えているうちに、先ほど前を歩いていた親子連れとそれ違ってしまった。
 
甲府から各駅停車で高尾へ向かう。勝沼までは雨であったが、勝沼の駅のすぐ上にある葡萄畑は白く雪化粧していた。そこから徐々に雪が増え、甲斐大和では雪が積もっている状態に。特急通過待ちの10分間、扉は手動でしまっていた。笹子峠をこえ、大月付近まで雪は続いた。
 
 

Posted by hajimet at 09:57 | Comments (1)

Comments
お疲れ様でした。
次は、今回行けなかった、吉田のうどん、ワイナリーなんかを回りましょう。
春、夏、秋はフルーツがいっぱいで、食べ歩くのも楽しいですよ。
  Posted by: 山梨住人 at 2005/12/12 22:42:57


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