再び青春18切符で館山まで行く。内房線だが、単線のため待ち合わせが多い。あっちこっちで5分程度の接続時間あって、意外と時間がかかる。君津を過ぎて上総湊のあたりまで来ると、右手に東京湾が見えてくる。いつもは三浦半島が見えるのだが、この日は少しガスがかかっていて、そこまでは見えなかった。
館山の駅から館山城あとへ向かう。バスで五分ほど。途中、赤とんぼが乱舞している中を歩いていく。そこに市立博物館がある。常設展では館山の歴史を紹介していたが、三浦半島と近いため意外と共通点が多い。中世の墓である「やぐら」もこの地域だけあるとのことだ。 特別展ではちょうど戦争遺跡の展示をしていた。館山は東京湾の入り口で三浦半島と対峙する位置にあるために、首都防衛のための施設が多く作られていた。それらの紹介だった。それで気がついた。房総半島でも他の町を歩いているときに、比較的古い建物を目にするのだが、ここでは一軒も目にしなかったのだ。激しい空襲でやられたのだった。
山の上に天守閣が復元されているが、ここも砲台にするために削平されていた。天守閣は博物館の分館で、里見八犬伝の資料を展示していた。館山城は里見氏の本拠地で、城内には南総里見八犬伝の元となったと伝えられる八賢士の墓もある。天守台の高さは海抜70b。波が静かなことから鏡浦と言われる館山湾、旧軍の軍事施設などが一望できた。 山を下りて、鏡浦を散策して帰宅。この地域は大地震のために隆起するところで、1703年の元禄地震のときには5メートル以上も隆起したとのことだ。館山駅付近もそのときに陸となったという。
|