翌日小諸へ行く。 御代田駅から信濃鉄道で10分ほど。15年ぶり、4回目の訪問だ。最初は昭和61年、真冬だった。その次は、青春18切符で上野から信越本線(数少ない横軽越えの各駅停車に乗りたかった)に乗り、小海線に乗り換える1時間ほどの時間に懐古園によった。もう一度夏によった記憶がある。
御代田駅はかなり勾配がきつい駅である。汽車時代はスイッチバックだったそうだ。今でもその後が残っているそうだが、残念ながら見つけられなかった。列車は浅間山の「箱地形」と呼ばれる中を走っていく。小諸ではまず懐古園を見る。
小諸駅から懐古園へ行く。駅のすぐそばで歩いて5分かからない。ここは江戸時代の小諸城の跡であるが、他の城と異なり、周囲より低いところにある「穴城」である。城下町の方が高いところにあるのだ。入り口である三の門も線路よりかなり低いところにある。
この辺は浅間山の火山灰でできているために、土がもろい。崩れやすいために城の周囲の断崖が天然の要塞になるからである。
もちろん、中には空堀などがあり、地獄谷と呼ばれる掘はかなり深い。上を渡る酔月橋は橋の途中に高さを調整するための階段がついているくらいだ。 .jpg)
三の門から天守台方面へ歩いていくと黒門橋があらわれる。その手前には牧野氏が勧請した稲荷、寛文の洪水の時に作られたという城内唯一の井戸である荒神井戸などがある。本丸あとは懐古神社となっている。小諸領と他の領との境界石標や、明治14年に懐古園が作られたときの記念碑である「懐古園の碑」がある。これは勝海舟の筆だそうだ。 その脇に天守台があるが、それほど高くはない。しかしその石垣は野面積で全国でも珍しい。天守閣そのものは寛永三年の落雷で焼失して、その後は再建されなかった。 園内には多くの歌碑が建てられている。懐古園の周囲には藤村記念館、郷土博物館、小山敬三美術館、寅さん 記念館などがある。これらを眺めたうえで駅前に戻った。園内には動物園もあるのだが、そちらへは足を伸ばさなかった。駅の近くには、15年ほど前に小諸へ行ったときに、なぜか印象に残った建物が今でも残っていたので、写真に納めた。
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