さて、2曲目はブルックナーの交響曲第7番。 実は、体調が万全でなく、ゲネプロでばてていた。しかも咳止めを飲んだら、案の定…。 1楽章。比較的早めのテンポで始まる。出だしは、チェロが情感たっぷりに、しかしながら歌いすぎない程度に曲をはじめていた。ようやく吹くところ、ホールの響きの関係で、自分の吹いている音は聞こえるが、まわりの音は意外なほどに聞こえない。この曲はシャープの臨時記号がやたら多く、吹く直前に音を確認するのだが、「あれ」と思うところも(いい訳だが、CDでも結構半音間違えている演奏に出くわす)。中間部も比較的うまく流れ、最後まで。 2楽章も比較的早めのテンポであるが、普段の練習より心持ち遅く進行していった。ワグナーテューバの出だしから綺麗に行く。しかし、吹きにくそうな楽器だ。4台とも響きも、音程の取りやすさも違うように聞こえる(後で聞いたら、音のツボがなくて合わせづらいとのこと)。あまり他で使われることがなかったことも分かるように思う。中間部も何とかこなして、最後の部分。ワーグナーへのオマージュも綺麗だった。コントラバスのピッチカートなどほぼうまくはまっていたようだ。 3楽章。あとからトロンボーンがあおっていたと指摘された。テンポ指示を変更した部分は多少、変更前の余韻が残っていたようだったが、何とかクリア。中間部はぐっとテンポを落として、ゆっくりと歩みを進めていた。 4楽章。まもなく終わり。そろそろ頭の中には終わった後のいろいろなことが抽象的なものから、具体的なものに変わってくる。緊張感のせいか、妙に疲れているし、喉も「かなり」乾いて来たからだ。 始まって3分の1ほど進行したところのコントラバスのピッチカートは、綺麗にはまっていた。ここはいろいろな演奏を聴いても、走り気味になる場所なのだが、本番は気にならなかった。譜面上でBreitとなっているところは、練習の時から4拍でしっかり演奏することを意識させたかったようだが、本番直前の練習からかなり強調していて、2拍でカウントするところと対比を明瞭につけていた。吹いていても、目の端にしっかり指揮を意識しながら吹いていた。 ホールの響きはよいようで、時々聞こえてくる残響はとても気持ちの良いものだった。しかし、舞台の構造のせいか、特定のパートだけ生の音が聞こえてきたり(トロンボーンの所ではコントラバスがそうだった)、本当に合わせる必要のある隣の人の音がよく聞こえてこないなど、最後まで不安な演奏だった。隣の音が聞こえてきて、はじめて自分の音量などバランスが調整できるからだ。 終演後ざっと目を通したアンケートを見る限り反応は良かったようだ。一方吹いている側からは多くの反省点があった。より練習を重ねて先に繋げたいものである。
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エルガーは、一部テンポが練習よりかなり速く感じ焦りながら吹いてたんですが、気のせいでしょうか。やはりすばらしいソロが間近で聴けたのはとても良かったです。
ブルックナーは、2楽で両隣から聞こえるきれいなメロディーと舞台の暑さにより発生した睡魔と格闘し、それ以降は機能停止でしたね・・・。1楽から既に気が遠くなってたような、気もしますが。
Posted by: 稚拙な感想文 at 2005/06/21 23:08:10