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2005年6月1日
東福寺(2)

塔頭を眺めながら東福寺へ向かう。13世紀の寺である。

途中路の向こうにトンネルのようなものが見えてきた。臥雲橋という木で造られた橋で、屋根がついていたためにトンネルのように見えたのだ。かなり深い谷で、一面カエデが植わっていた。

行ったときは新緑というにはちょっと遅かったが、さぞかし綺麗だっただろうとおもわせる風景だった。もちろん、モミジも楽しみ。

橋の向こうにもう一つ木の橋が見える。こちらは東福寺境内の橋で、本堂のあるところから寺を開山した僧侶を祀る開山堂へとつなぐものだ。名前を通天橋という。

臥雲橋から通天橋をみると、まるで木々で作られた雲海の上に橋が浮かぶように見えるが、通天橋から臥雲橋を見ると緑に埋もれたトンネルのように見える(写真は通天橋よりみた臥雲橋)。

開山堂のまわりには、ツツジがさく庭園と石庭が並べて作られるという面白い配置をしていた。開山堂も面白い建て方がされていて、その2階に納められている布袋和尚の像は、伏見人形の源になっているとパンレットは書いていた。

本堂を中心とした伽藍配置は戦国時代に作られた三門から南北一直線にならんだものである(塔はない)。

それらを見て、カワセミが羽繕いしている池をとおり、裏へ回る。創建当時の十三重の塔や神社があったが、その麓に「維新戦没者供養碑」が立っていた。篆額は山県有朋、文選は三浦悟楼である。

東福寺に続き、新那智山今熊野観音寺を拝観し、続いて泉湧寺を訪ねる。孝明天皇までの菩提寺で天武天皇以来の位牌がある。なぜか天智系の位牌がないとも言われる。本堂は谷底にあり、その裏手は歴代天皇皇后陵や皇族の墓所となっている。

泉湧寺に入りすぐ左手に楊貴妃観音堂と宝物館がある。楊貴妃観音は13世紀に中国から持ってきたもので、とてもふくよかな仏像である。

宝物館では孝明天皇の遺物点などをやっていた。孝明天皇は30代半ばでなくなり、泉湧寺で葬儀を執り行った最後の天皇である(孝明天皇から仏式でなくなった)。そこに展示されている夜具は、とても湯愚とは思えないものであった。袖つきのかい巻き風のものであるが、若草色の地に金で模様が織り込まれていて、外着や晴れ着に使えそうなものなのだ。

そんなものを見た後、京都駅へ歩いた。途中新熊野神社(いまくまの神社)、三十三間堂を眺めながら15分ほどの距離だった。

Posted by hajimet at 23:10 | Comments (1)

Comments
ブログ拝見しにきました。名前がHNになっていることはお許し下さい。HNを並び替えれば、本名になるので、分かるとは思いますが…。

先日の京都観光は非常に有意義で、面白かったです。京都在住の身でありながらなんら適切な場所を紹介できずに申し訳なく思っていたのですが、思いつきで行ってみたところが望外に良いお寺で、見どころも多く、楽しい時間を過ごせました。

こうしてブログで見てみると、また色々と思い出せていいですね。自分の中で特に印象に残っているのは、手作りの楽器です。お寺巡りをしておきながら変な気もしますが、あれは本当に凄いと思いました。まさか、お寺で西洋の楽器と巡り合うとは思いもしませんでしたし。

また京都にいらっしゃるときはご連絡下さい。

蛇足ですが、ブログも含めHPのコンテンツの多さにびっくりしてしまいました。(笑)
  Posted by: a_moon_tour at 2005/06/02 23:39:32


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