さっきに続いてブルックナーの話。 昨日は聞いた話だが、今度はやる方の話である。6月に入っているオーケストラでブルックナーの交響曲をやるのだ。今日はその練習だった。プロではないから、半年くらい時間をかけて曲を作っていく。で、自分のパート譜を眺めているのだが、きわめて読みにくい譜面である。
一言で言って、「気まじめ」なのだ。まじめでなければ、演奏できないのだが、行きすぎは困る。 まず、休みが律儀に10小節単位で書かれている。自分の吹いているトロンボーンは休みが多いパートのため、5,10,10,6なんて休みの数が書いてあるのだ。
ところが、これがやりにくい。クラシックの曲は基本的に8小節を単位に曲が進むのだ。その中で、3小節や5小節単位をいれて曲を効果的にする。10小節単位に区切られていても、音楽の実体に合わないと演奏の障害にしかならない。
そのうえ、臨時記号が多い。トロンボーンなど管楽器は♭は演奏しやすいが、この曲は♯系の曲である。ただでさえやりにくいのに、和声の関係か、一度ナチュラルで解除しておいて、さらに♯をつけるのである。ダブルシャープやダブルフラットに見えてしまう(老眼?)。音を間違える元だ。
また、吹き始めの前間違えないように数小節ガイドという他のパートの譜面が小さく書かれているのだが、これも間違いの元だ。ブルックナーはやたらくり返しの多い作曲家なのだ。同じ音型が延々と続くことが多いのに、直前4小節だけガイドを書かれても、反射的にその音型が始まってからカウントを始めて5小節目に早速と吹いてしまうということになるのだ。まわりの目が怖い瞬間である。
まじめすぎると、却ってという例のようだ。
ということで、少し譜面を不真面目にすることとした。まず、10小節単位の給付記号を実際の休みの小節数に合計し、書き直す。あまりにもうるさいナチュラルを演奏上必要のないものを修正液で消す。などなど。
で、意気揚々と吹いたら、ナチュラルがないことにかえって混乱し、音を間違えたところがあった。この譜面で何回も演奏しているからだ…馴れとは恐ろしい。
馴れといえば、本番直前に譜面を縮小コピーして製本したところ、本番で大あわてした経験もある。目が無意識に本来音符があったところにいくのだ。そこにある音は全く別の音で、一瞬状況が分からなくなったのだ。
まあ、本番までまだ時間があるから、今回はすぐに慣れるだろう(歯が痛くて、体が無意識にそこをかばって、上のGから上がほとんど音にならなかったし…) 追伸:全く無関係の話だが、酎ハイのマイナス196度のCMに使われている音楽。大阪市営地下鉄の発車音楽をモティーフに使ったものだ。
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