石造殿(석조전:ソクチョジョン)

中和殿に向かって左側には花崗岩で作られた洋館がある。完全な石造りで、中央のバルコニーの上にはスモモの花(李花)の紋章が浮き彫りにされている。
 
王宮ではあるが、中和殿を中心とする建物とは性格が違うようだ。建物の向きも他のものが王宮の形式にあわせて真南を向いているのに対して、石造殿は真南を向いていない。1909年頃に皇帝が外国使節と会うために作られたが、そのときにはここで皇帝が外国使節と会う機会はなくなっていた。1907年、ハーグ事件をきっかけに高宗(고종:コジョン)は退位させられ、純宗が即位した。徳寿宮は退位させられた高宗の住まいとなり、純宗(순종:スンジョン)皇帝は昌徳宮に移らされていたからである。
 
建物は新古典様式でつくられ、柱頭はイオニア式である。その前の庭園は韓国最初の西洋式庭園である。藤棚、麦など季節折々のものが植えられている。
 
西 館は1937年に作られ、李王職博物館となった。こちらの柱頭はコリント式である。現在は国立現代美術館の分館となっている。

石造殿バルコニー 石造殿側面 西館と庭園 西館柱頭

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