光州、月桂洞(월계동)古墳群
1号墳 2号墳 1号墳(手前)と2号墳(後ろ)

光州郊外の月桂洞にある。破壊が激しかったが、発掘を通じて復元された。通常前方後円墳は各盆地に一つずつであるのに対して、ここだけは2基である。どちらかが一方を意識して築造したと考えられている。

1号墳は全長44m。後円部は約25m。盾型の周溝があり、そこから円筒型土器(百済系埴輪)、木製樹物(笠型他)が出土した。同時に百済三足器も出土する。平面プランは河内、岡ミンザイ古墳、豊前上ん山古墳の縮小形とされる。

2号墳は1号墳から約50m隔たっている。1号墳より僅かに低い位置に立地する。全長33m。後円部直径約20m。1号墳より2割ほど小さく築かれている。前方部が扇型に開く6世紀後半のものと考えられる。平面プランは筑前、桂川天神山古墳、河内市野山古墳と同型。特に市野山古墳は周壕まで含めて同じプラン。

両者とも葺き石、段築、作り出しはない。くびれ部に横穴式石室を有しているが、北九州式横穴式石室である。土の積み方や土器の性格の違いによって、倭から造墓集団が来たのではなく、平面プランだけで現地の造墓集団が作成したもの考えられている。

(参考)百済三足土器(漢城・中央博物館)

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