秦氏と太秦
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広隆寺弥勒菩薩像
(複製・ソウル) |
蚕ノ社の三角鳥居 |
京都、嵐山の近くは新羅系渡来人の秦氏の勢力の
強かった地域である。渡月橋の近くの堰も秦氏のものと言われる。その地盤が映画の撮影所のある太秦一帯である。中心となる広隆寺は新羅から来たと思われる
半跏思惟像(弥勒菩薩)で知られる寺である。そこにあった秦氏の氏神、秦酒公をまつった神社が大酒神社である。神仏分離によって近く(東映太秦撮影所近
く)に移されている。秦酒公は各地に広がっていた秦氏の勢力をまとめていったようだ。
この秦酒公に関係があるとされる神社が、木島坐
天照御魂神社である。2つある本殿のうち東本殿を養蚕神社、別名「蚕の社」という。秦氏と養蚕は関係が深いことと、その関係から太秦の地名も出来たとされ
る。
本殿脇の元糺(ただす)の池には三本柱の鳥居がある。秦氏に関するものかも知れないといわれる。この秦氏を埋葬
した場所として松竹撮影所の裏(帷子の辻)にある蛇塚古墳である。墳丘は殆ど失われているが、立派な石室が残っている。太秦一帯には秦氏に関係すると思わ
れる古墳が散在している。