仏谷(불곡:プルゴク)龕室石仏座像

東南山でもっとも市街地に近い谷が仏谷である。谷の入り口から徒歩で10分ほどのところに、石仏座像がある。ちょうど、雪国のかまくらのように彫られた岩の中に、まるでかまくらの中に座っているかんざしを挿したおばあさんのような風貌の石仏だ。南山(남산:ナムサン)のなかでも最も古い石仏の一つだ。

新羅で石仏が盛んに彫られるようになるのは、7世紀の半ばに新羅が高句麗、百済を滅ぼして国を統一する三国統一後であるが、ここのものは、それよりも古いものとされる。

石仏の口びるや龕室の上などが赤茶けている。自然の石の色とされていたが、最近顔料の痕跡が見つかり、彩色されていたらしいことがわかった。

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