漢江をおさえると朝鮮半島がおさえられる
朝鮮半島の歴史を見ると、漢江をおさえることが
できるかが大きな意味を持つこ
とが分かる。
・漢江流域で興った百済は
朝鮮半島南西を統一
し、中国南朝から先進文明を取り
入れ、日本に伝え、<
・新羅は漢江流域
に勢力を伸ばし、唐とともに高
句麗、百済を滅ぼし三国を統一
し、
・新羅が衰退してからおきた国々のうち、漢江流
域におきた後高句麗の地域が高
麗となり、半島を統一、
・1392年におきた朝鮮は漢江流域の
漢城(ソ
ウル)に都をおいて500年近
く国を維持した(東アジアで最長)
朝鮮半島を広く支配した王朝はすべて漢江をおさ
えることがきっかけとなってい
る。
漢江は朝鮮半島中部を東西に流る川で、河口から
は黄海を間において中国の山東
半島に渡ることができる。中国の先進文明を導入しやすい。山東半島から北京へも長安へも行ける。また黄海沿岸をおさえることができる。
漢江は中朝国境の川を除いて流域面積が最も広い
川で、下流には穀倉地帯の金浦
平野がある。南漢江の水源地帯は峠を越えればすぐに洛東江の水源地帯である。いずれの川もかなり上流まで船が遡ることができる。この両方を使えば、ソウル
地方と慶尚道が結ばれ、更に日本へのルートが確保できる。
河口付近で合流している臨津江が流れているとこ
ろは日本海側の元山まで谷が続
いていて、重要な回廊となっている。このことで朝鮮半島の東北部までおさえることができるのである。
このように漢江流域をおさえることによって、朝
鮮半島全体を一つの勢力の下に
置くことができるのである。