おろくにんさ ま


根獅子は平戸島の平戸と反対側、東シナ海側にある。対岸は生月島で、 生月島と同じく、かくれキリシタンの信仰が続いた地域である。禁教以前は籠手田氏の領地で、一斉改宗した地域であった。禁教令以降厳しく弾圧された。しか し、弾圧後も潜伏した人びとが多かったが、これも見つかり、1635(寛永12)年に70人近い キリシタンが処刑された。彼らは根獅子の浜にある昇天石と呼ばれる石の所で殺されたが、その遺体はウシワキ(大石脇)の森に葬られたという。

伝 説では、夫婦と女の子3人の家に男の子が流れついた。その子を長女と結婚させた。すると、翌日には男の子はいなくなり、その代わりに役人に取り囲まれてい た。一家は昇天石で殺されたが、長女のお腹に子供がいたので、あわせて6人が殺された。その海に捨てられた遺体を広い、ウシワキの森に埋め。処刑の際に天 から銀の鎖のついた金の籠が降りてきて、6人の魂はそれに載せられて、不知火に落ちたという。

ウシワキの森は根獅子の海岸ぞいの砂丘部分にある。おろくにんさまを祀るため、聖地とされた。信者は裸足でこの森に入った。そのため、原生林化している。 その後の発掘調査で、この森の部分は16世紀における根獅子のキリシタン墓地であったと考えられている。




森 の中 根 獅子の浜

前の頁     目次    HOME      次のページ