池山洞(チサンドン)古墳群(1)

高霊(고령:コリョン)の池山洞(지산동:チサンドン)古墳群は、主山南側の稜線とそれから別れる尾根の上に古墳が並ぶ。伽耶全体でも最大の古墳群である。

大伽倻の王族級の古墳である。大型古墳5基のほか、大小200基が残っている。ここに大きな塚が築かれるのは5世紀後半に入ってからであるが、この頃伽倻の中心が金官伽倻から大伽倻に移ったことが分かる。下から上に向かうに従って築造年第が新しくなるが、下には同時期のものが多く見られる。そこで、最初はそれぞれの地域の首長の連合政権的正確を持っていたものが、1つの王系に整理されていったとみるべきだとされる。

中には中央の3つの石槨の周りから25体もの殉葬者が出るような古墳もある。殉葬は6世紀前半の古墳からも出てくる。この時期の伽倻の古墳は竪穴式の石槨墓が伝統であるが、池山洞古墳群では最後までこの様式で作られた。古墳群の麓には大伽耶博物館があり、この地域で発掘されたものや、古墳群の様子がよく展示されている。

高霊の町中に幢竿支柱がある。これは寺院の旗の掲揚台で、ここに寺院があったことを示す。統一新羅時代の8世紀のものとされる。

古墳全景(2009年) 古墳の発掘風景 池山洞幢竿支柱

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