池山洞古墳群(2)
池山洞古墳(中間付近) 池山洞古墳群の最も奥

伽耶の古墳は殉葬墳が多く見られるが、なかでも池山洞古墳群44,45号墳は韓国で最初に発見された殉葬墳である。44号墳は、下部を石で覆った古墳で、墓の中央に竪穴式石室(長さ9.1m、幅1.75m、深さ2.1m)があり、その他に2つの副石室という大形石室が作られている。さらに周囲に32基の小形の石室が発見された。主室は本人を埋葬するところであるのに対して、副室は、死後も生活ができるようにするために物品をおさめた倉庫の役割をしている。これは伽耶の王陵級の古墳の特徴で、死後の世界観をよく表している。

殉葬者は主室に1名(復元では2名)、2つの副石室に2名、小形石室から36名発見された。主室は被葬者の近くにいた者で、副室は死後生活物品の管理人と考えられている。外の石室の中には30代男性の上に8歳の女の子が載せられたもの、10代の少女が並べて埋葬されたもの、男女が足を向け合って埋葬されたものなどもある。

大伽耶の社会は王族などの最上位層、富裕層、生産者、奴婢にわけられ、さらに武士階層、土器制作の特殊階層に別れるとされる(池山洞古墳群の解説板より)。44号墳の殉死者も上流層、武士層、侍従層に区別される。

盗掘はされていたが大伽耶式と呼ばれる多くの土器も発見された。古墳内部の様子は、大伽耶博物館の大伽耶王陵展示館に復原されている。このような殉葬墳は池山洞古墳群で他にも発見されている。

古墳は尾根線上に分布しているが、その鞍部には日本時代に開通させた道路が通っている。現在は道路の上に土を盛って、トンネル状になっている。

44号古墳(殉葬墳) 内部構造 44号墳の内部(復元)

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