釈迦塔

釈迦塔(석가탑:ソッカタップ)は本堂の向かって左にある。新羅を代表する典型的な三層石塔である。塔は釈迦の骨を祀るもので、釈迦そのものを象徴している。通常は本堂の前に一つないし、二つ置かれるが、仏国寺の場合は釈迦塔と多宝塔を置くことで、釈迦の説法の正しさを表そうとしている。そのために釈迦塔だけでなく、塔のまわりに釈迦のまわりに集まってきた弟子を座らせる場所まで作られた。

この塔は無影塔(무영탑:ムヨンタップ)ともいう。塔は百済から新婚の石工を呼んで作らせた。ところが、なかなか完成しないため、しびれを切らせた妻が会いに来た。しかし、塔が完成するまでは会えないと監督から言われ、池のそばで待たされた。塔が完成したら池に塔の影が映るからと言われたからである。ある日池に塔の影が映った。思わず池に飛び込んでしまいおぼれてしまった。待ちくたびれたから幻想が見えたともいう。塔ができて、池の所まで来た石工はその話を聞いて自分も水に飛び込んでしまった。それ以来、この石塔は影が映らないというのだ。

この石塔は、この後、新羅から現在に至るまでの韓国の塔の原形となる。また、1970年代の調査で塔の中心から世界最古とされる木版で印刷された経典が発見された。

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