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2014年6月18日
倫理 20140617 ギリシア思想。神話と哲学
ギリシア思想

神話の世界から、思想が登場した。ギリシア、インド、中国など
ほぼ同じ時期に登場。ギリシア思想は今でもヨーロッパの人に影響を与えている。

@ギリシアとは
 気候:地中海性気候、
 地質:石灰岩(大理石)→農耕に不利。

だが、半島であるため、様々な人が集まってくる。

もともと古くからエーゲ文明が広がっているところだが、
3波にわたりギリシア人が南下した。

最初はBC 2000年頃。クレタ文明:クノッソスの宮殿の話など。
次はBC 16世紀頃ミケーネ文明ができた。
さらにBC 12世紀頃ドーリア人が南下して、鉄器を使用した

鉄器は青銅器に比べて固いため、これを持つと言うことは、
周りの民族を支配することが出来ることに繋がる。
古代ヤマト政権も鉄を手に入れる事に苦労した。

その後、なぜか紀元前8世紀に完璧なギリシア世界が出来上がる。
考古学的に「暗黒の時代」といわれるほど、その間は何が起きたか分からない。
即ち、ポリス(都市国家)が出来る。

ポリスは、城壁(城壁の中が国)を有し、アクロポリスに神殿を建て、
ポリスごとの神を祀る。オリンポスの神である。オリンポスの神は
最高神ゼウスの下にあつまり、競技をする=オリンピアの競技。
今もオリンピック聖火の採火はアテネのパルテノン宮殿の前で行われる。

中央にはアゴラを有す。その周囲に人が住むが、特にアテネでは
「対等な成年男子が」アゴラで言葉を使って議論し、ポリスの運命を決めた。
ポリスの運命は民衆の力(demos+kratia)によって決められる(democracy)。
だからポリスの運命を決めること=政治(politic)である。

この中から神話が成立する(ヘシオドス、ホメロス)。
また、神と人(不死と可死)の関係も関心が持たれ、ギリシア悲劇が登場した。
アクロポリスの下の劇場で、仮面(ペルソナ:ラテン語)をかぶり上演した。

しかし、ギリシアは耕地が狭い。
余剰人員は地中海沿岸に移住して植民市を築き(BC 8-6C)、そこで哲学が始まった。
つまり、他の民族と接触したことで、それまで当たり前のこととして
存在していた神話の世界に疑問を持ったのだ。
彼らはギリシア人の神話を持っていなかったからだ。

A神話と哲学
神話(mythos)と哲学は、根源や秩序を追求する点は共通している。
だが、神話は具体的なイメージを、象徴として表し(ex.クロノス)、
比喩によって出来事を説明していく。それは、民族内では共有される。

一方、哲学は「言葉(logos(とりあえず、理性))」を用いる。
そして、個人の言葉の力で伝えようとする。
言葉で伝えるから、明晰でなければならず、曖昧であってはならない。

mythosは「ごちゃごちゃ話す」という意味である。
logosは「集めたもの」「はっきり話す」という意味。
「ことば」で相手に伝えるから、「論理」が必要となり、
論理によって考えようとするには、「合理的思考」が必要となる。
そして、人は、そのようなLogosという「理性」を持つ。
このロゴスの考え方は、現在の欧米でも大きく影響を受けている。
cf.dialogue, catalog, ecology, psychology

アゴラで対話できるのも、
同じポリスの人間は、同じロゴスを共有する対等な存在だからであって、
だからこそ、徹底的に言葉で議論することになる。

これらのことから、哲学は議論を認めることになるため、「反証を許す」が、
神話は反証を許さないことになる。

「カオス」は「カオス」でしかない。そのまま認めるしかない。
「カオスは何か」と考え始めると、哲学になる。

B哲学という言葉
哲学はPhilein(愛する)とsophia(知、智)から来る。
知を愛するということ。いいかえれば、「知」そのものを「愛す」
ギリシアの人は実用生活に関係することから離れて、考えることを好んだ。
cf.Sophia University。

「哲学」は西周が作ったもの。「希哲学」「希賢学」から来る。
かしこきを、こいねがう」ということである。
Posted by hajimet at 16:57 | Comments (0)

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