最近、時間があると聴いている曲である。関係しているところが演奏するということで聴いているのだ。 春の祭典や火の鳥などはよく聴くが、これは曲名を聞くまで全く知らなかった。ストラビンスキーが23歳の時、まだロシアにいる頃に書かれたものだ。春の祭典などは1小節ごとに拍子が変わる変拍子の嵐だが、変拍子はなく、そのうえほぼ4小節ごとに区切ることの出来る単純明快な曲である。ただ、ときおり6小節や5小節一単位が出てきて後の作品を連想させる部分もある。 それもそのはず作品番号1番で、ストラビンスキーが始めて書いたメジャーなオーケストラ曲である。 全体を聴いた感じでは、3楽章の中間のホルンの旋律のように後の火の鳥への発展を連想させる部分もあるものの、師匠の影響が強く感じられる曲だ。2楽章や3楽章の中間部などはボロディンの交響曲第2番を聴いているような気分になる。 解説書によるとグラズノフやチャイコフスキーの悲愴の影響が強いようだ、2楽章はグラズノフとリムスキーコルサコフのオマージュ、リムスキーコルサコフの皇帝スルタンの物語の影響もあるという。3楽章は悲愴の4楽章の影響が強いそうだ。 聴いた演奏は、ネーメ ヤールビー指揮、スイスロマンド管弦楽団。スコアと見比べると、テンポなどかなりいじっているように思えるが、それだけに流麗に聞こえる演奏になっている。 同じCD集(5枚組)に入っているコラールバリエーションも聴いていて面白い。一見古典風だが、よく聴いてみると…の世界である。
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