世界の果て博物館のヤマナ族
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写真−87
悲劇の先住民と悲劇の宣教師‥‥
19世紀の中頃にヨーロッパから宣教師が来るまで、ヤマナ族は定住せずに、魚や動物を捕って暮らしていた。寒さの厳しい環境にもかかわらず、彼らは裸にカワウソの毛皮を纏っただけだった。ヨーロッパから来た宣教師や政府の役人達はヤマナ族を定住させようとし、強制的に洋服を着せた。ところがヤマナ族は洗濯をする習慣がなかったので洋服は細菌やウイルスの温床となりヤマナ族の人々は急速に死んでいった。
宣教師側の記録ではニャンスが異なっている。ビーグル海峡を発見したビーグル号の航海士だったガーディナー大尉が英国に帰国後宣教師に転身し、「神に見捨てられた最果ての先住民」に布教しようとした。しかし先住民に追われ避難を繰り返す中に4ヶ月後に一行は全員命を落とす。ガーディナーが殉教した洞窟は「ガーディナーの洞窟」と呼ばれ、悲劇の宣教師として讃え伝えられている。

(以上複数の書籍情報の抜粋)



この宣教師のように善意ではあるが、自らの価値観を他人に押しつける手法は、ブッシュ大統領がイラクで用いている手法に通じるところがあるのではなかろうか?
世界の果て博物館のヤマナ族
世界の果て博物館のヤマナ族の展示の一部
2007.2.14
ウシュアイア(アルゼンチン)
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世界の果て博物館のヤマナ族‥‥
世界の果て博物館でのヤマナ族に関する展示は、彼らが裸で野蛮に暮らしていたことが強調されているようにも感じた。観光客に興味を持ってもらうためには必要なディスプレイ方法かも知れない。

2月7日に見学したプンタアレーナスのサレシアノ博物館はもっと極端で、野蛮なヤマナ族に対して宣教師が如何に文明の恩恵を与えたかが強調されているような感じだった。尤もこの博物館はイタリアの修道会が運営しているのでその展示ポリシーは当然かも知れない。

裸でも家族で助け合って自然と共生して生活していたヤマナ族と、僅か20年で人口の97%を殺した西洋人とどちらが文明的であろうか。