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シュエモード・パゴダ
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写真−121
シュエモード・パゴダ
撮影地:バゴー
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2011_2_28
シュエモード・パゴダ‥‥‥‥
このパゴダの歴史は1200年以上前にさかのぼる。最初の高さは23mだったが、1000年かけて改築を重ね、現在は高さは114mとなった。ここに限らず息の長い建築である。巡るように歩く回廊がある。
僧侶が二人奇妙な格好をしているが、これはゆっくり歩きながら瞑想をしているところ。
古い筈の建造物が何故新しいのか?(仏教建造物の保存・修復)‥‥
宗教文化都市バゴーは、573年、二人のモン族の王子によって町が造られた。
1550年ビルマ族のタウングー王朝によりバゴーは首都となった。
1630年に首都はアヴィに遷都され、その後バゴーはモン族の首都に変わった。

ミャンマーの仏教建築は、レンガ造りが基本である。レンガ造りは、ローマ帝国時代の石造建築や、日本の飛鳥・奈良時代の木造建築に較べて風化が激しく、また地震や戦乱により破壊されることも多かったため、度々修復されている。見た目には創建当時と同じ形状でも、実態は新しいパゴダであることも多い。古い建造物である筈のものが、真新しくピカピカに光って見えるものもある。

ミャンマーの仏教建造物の保存・修復の概念は、日本とは違うようだ。由来あるパゴダや寺院は、歴代の王が次々と既存パゴダを建て替えることにより、さらに大きいパゴダとし、新しいパゴダも追加する。これが「功徳」となる。裕福な人も次々とパゴダを「功徳」のために寄進し、庶民も金を集めて寄進する。

パゴダや寺院が古くなって傷んできたら、新しく造り変えるか大幅に修復する。建て替えにより、形状が以前と異なっても仕方がない。汚れたり傷んだものを綺麗に修復することが「功徳」になる。汚れた壁画の上には、新しく綺麗なコンクリートを塗りつける。金箔が剥げてきたら新しく張り替える。原点があるから、造り変えても古いことには変わりない。建築・修復の最大の目的は「功徳」である。

この概念を整理するため、旅行中と帰国後かなり時間を費やした。

対して、ユネスコの世界遺産の方針は、遺跡はできるだけ原点のまま保存するのが原則である。日本でも寺院などの世界遺産の修復は、執拗なまでの調査・研究により、古来の姿のままで修復されている。
今回旅行した全ての古都の仏教建築群は、世界遺産の価値が十分あるように思われるが、世界遺産に登録されたものはない。