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グービャウジー寺院
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写真−107
グービャウジー寺院
撮影地:パガン
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2011_2_26
グービャウジー寺院‥‥
11世紀に建てられたレンガ造りの寺院。内部には座仏像と、550の美しい壁画が残っている。
巨大寺院の建設.‥‥
ビルマの歴史上で巨大宗教施設が次々と連続して建立された理由は、宗教(上座部仏教)の性格と、それを基に国を治めた王朝との因果関係があるのではないだろうか。

ビルマではどの王朝時代にも、信仰の対象としてパゴダや僧院が盛んに建立された。宗教施設の造営・修復は、釈迦や僧侶への功徳・寄進の概念と並行しつつも、雇用労働を促進した。レンガを初め多くの建設資材が製造・購入され、職人・労働者に賃金が支払われ、衣類や食料が支給された。従って宗教施設の造営は、資材の製造部門の産業を活発にし、雇用の確保をもたらした。これらの行為は富の再配分を引き起こし、活力に満ちた社会が形成されていった。

反面、最盛期を過ぎると巨額の支出は無視できないものとなった。しかし、為政は仏教的世界観で構築されていたため、これら宗教設備の造営を中止・禁止することはできなかった。宗教施設は一旦造営されると、その維持管理はその地域内の労働力で行うことができ、中央権力の力なくても機能し得たので、中央権力弱体化の要因ともなったとの見方もある。パゴダを造り過ぎたのがバガン王朝衰退の一因だともいわれている。(東南アジアを知る辞典他)