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4.遊牧民の生活
 遊牧民は基本的に食は放牧家畜による自給自足の部分が多いが、近代化の影響は確実に及んでいるようだ。殆どのゲルには一族で1台の車とトラックがあるようだった。ただし相当な中古である
 馬または車で衣類や日用品を街のザハ(市場)に買い物に行き、ゲルの移動はトラックで行っているらしい。テレビアンテナがあるゲルも多いようだ。
 尤も今回の旅行で車から見えた遊牧民のゲルは比較的裕福な部類かも知れない。

 ゲルそのものの値段は一式で日本円換算2万円とも聞いた。材料さえあれば組立ては自分達で1時間もあれば終わってしまう。

 ザハでは人参、玉葱、じゃが芋などの野菜も売られていた。スーパーマーケットでもいろいろな日用品が売られていた。殆どが中国やロシヤからの輸入品である。
 但し最近の日用品は殆どがビニール製の容器やガラス製のビンに入っている。これらを使い捨てたものが草原の一角に投げ捨てられ、また回収するシステムが無いため大草原の中にゴミの山があるのは戴けない。

 遊牧民の収入は家畜の羊毛や毛皮を売っているのであろう。
 ツェツェルレグは羊の毛や皮など放牧家畜の一次製品の中継基地になっていると聞いた。それだけの仕事のためにこれだけ多くの人が住んでいる理由は単に1時間ほどの滞在では分からない。

 街道沿いの遊牧民の民家の近くには、羊の毛皮などが点々と積まれているので、これらを集積する職業のようなものがあるのだろう。

 日本の新聞報道によると去る6月の選挙で躍進した祖国民主連合の公約として、18歳以下の全員に1ヶ月1000円の支給を約束しているとのこと。対象は約100万人と言う。国家財政的にも苦しいらしい。マンホールチルドレンの存在も社会問題化していると言う。

 昔の遊牧時代も厳しい自然環境の中で生活は厳しかったと本には書いてあるが、昔の厳しさと近代化が始まってからの生活の厳しさは質が違うと思う。続く

                         平成16年6月17日  記