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3.ゲルの宿泊
 今回の旅行では遊牧民の住居と同じ様式のゲルに宿泊した。ゲルの宿泊日数はカラコルムで4泊、ツェンケル温泉で1泊の合計5泊であった。1箇所のツーリストキャンプに20〜30個ほどのゲルがあり、レストランは中央の大きなゲルの中にあった。トイレと洗面・シャワーは宿泊ゲルとは別棟で共用設備である。

 ゲルの内部にはベッド2個と小さなテーブルと椅子が2個備えられ、中央には薪用のストーブがあった。ゲルは観光客用のものなので一応清潔感はあり、虫類もそれほど居なかった。

 昼間は30度近くまで気温が上昇し暑かったが夜間は冷え込み、特に標高2,000m近いツェンケル温泉では寝ぼけて温度計を見たのでなければ朝方4度まで下がっていた。
 しかし一晩中薪をくべ続けるわけには行かず昼間の強行軍の疲労もあり、結果的には寒さを我慢しながら寝込んでいた。
 
 食事は期待外れであった。折角の旅行なので現地の人が食べるものを期待していたが、中途半端な洋食で特に特徴はなかった。勿論遊牧民のゲル訪問も含めて馬乳酒やチーズ、ホーショール(揚げ餃子)などちょこちょこ出ては来た。
 尤も完全に現地食だけならば確実に下痢に見舞われたと思うが、今回の旅行は逆に便秘ぎみだった。

 ツェンケル温泉とカラコルムのゲルでそれぞれ民族音楽を鑑賞した。特にカラコルムの楽団はレベルが高く楽しめた。逆にツェンケル温泉の演奏は大したことは無かった。

 その他のゲルでの夜間行事として夜中の午前1時に星空鑑賞会を行った。ただツーリストキャンプ内は照明が明るく邪魔になるので少し歩く必要があった。星空は天の川もはっきり見え、とても綺麗だったので、毎晩長時間露出の写真撮影を試みた。ゲルの照明を避けるため多少ゲルから離れたので、一人で撮影する時は犬がとても怖かった。ヘッドランプを照らすと草むらに犬の2個並んだ目の光がじっとこちらの様子を窺っていた。

 その他の行事としてオーストリアからのツアーの便乗であるが、ゲルの組立て実演や、キャンプファイヤを囲んでの民族音楽とゴーゴーダンスも楽しめた。

 ツェンケル温泉のツーリストキャンプは日本人が経営しており、日本の大学生が論文作成を兼ねてアルバイトに来ていた。温泉の泉源温度は86.5度と高く油断するととんでもなく温度が上がってしまい、また水を入れすぎると冷たくなり調節が難しい。それを日本からのアルバイト生が面倒をみていた。

 遊牧民の民家訪問は2箇所とも宿泊ゲルの近くの民家だった。草原の中で季節に応じて移動する遊牧民には電気は来ない。ところが1箇所のゲルには古い白黒のテレビがあった。テントの上のソーラー電池から電気を得ていると言う。

 ゲルの主人の自慢はナーダムの相撲で好成績を得た事、息子達もやはりナーダムで活躍したとかで、ゲルの仏壇の脇にはメダルが数多く飾られていた。歌も得意でゲルの中で彼らの歌を聴かせてくれた。

 先にも書いたが生まれて始めて乗馬もした。但し添乗員曰く、乗馬で怪我しても今回の旅行保険は有効でないと。

ゲルの回りは勿論草原であり、所謂娯楽施設などはある筈がない。このような旅行は楽しめる人と、激しく拒絶反応を示す人の両極端に別れると思う。 続く

                      平成16年7月17日 記