マシラウ・ネイチャー・リゾート(その1)
写真−81
2008.4.17
pm3:34
アブラヤシ農園の陰‥‥
パーム油の製油を効率的に行い、早期に投下資本を回収するためにはプランテーション(大規模工場生産方式農園)が必要とされ、熱帯雨林は大規模に伐採、または焼き払われた。
スポンジの様に水を含むジャングルが切り開かれると、土地の保水力は減少し、降雨は直ちに河川の増水につながり、水が流れ去れば旱魃を引き起こす。
また、高さ60mの樹木が鬱蒼と繁るジャングルと、間引きされたアブラヤシ農園では素人目にも緑の密度が全く異なり、酸素の放出量が違うように思える。
さらに、モノカルチャー方式(単一品種栽培の農業形態)は、生態系を破壊するので自然の逆襲を受ける。それに対抗するために、大量の除草剤・殺虫剤・化学肥料を投入しなければならない現実もある。
東南アジアの熱帯雨林や南米のアマゾン流域等は「地球の肺」 と呼ばれている。しかし上述のように、ジャングルは意外に脆く、一度荒廃が進むと回復は困難を極める。熱帯雨林が喪失することによる酸素供給量の減少は、全地球規模でみた場合、憂慮すべき問題となっている。
アブラヤシ農園の負の部分を強調して、パーム油の生産を止めてしまったら、マレーシアの経済は成り立たない。日本も困る。問題が深い所以である。
(続く)