アグリー・シスターズ・ピーク
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写真−24
2008.4.16
am6:46
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止まるところを知らない開発の行き先は?‥‥
コタキナバルから登山口への道沿いの家は、先住民族のドゥスン族が多いという。この地域(サバ州)はボルネオでは最も早く近代化に成功したが、逆に伝統的な文化や風習はほとんど失ってしまった。人々の服装はTシャツで、生活の中に民族衣装などは全く見られなかった。家の構造も地元で採れる自然の植物や鉱物で作られたものではなく、近代的な建材(屋根はトタン、壁は板張り)が殆どであった。

アジアでもっとも未開と言われたボルネオだが、大都市、都市部、工業団地は日本のそれと同じ感じになりつつある(なってしまった)。一方、地方では過疎化が進みつつある。

かつての熱帯雨林は広大なアブラヤシ農園(オイルパーム・エステート)に変わった。経済的には潤うかも知れないが、産業構造および教育などのバランスのない発展、都市部の人口集中、海外からの労働者のアンバランスな増加は、人心の荒廃も進める。

地上最後の楽園もなくなり、大自然は僅かに残された自然保護地帯だけとなり、その僅かな自然保護地帯の中で、裕福な外国人相手の観光産業が発展する。何百年ものボルネオの伝統や文化が消えつつあり、そして殆ど消えてしまった。世界共通の現象である。 (続く)