雨季のバングラデシュ
写真−95
2008_7_27 インドへの航空機上から
筆者撮影した雨季のバングラデシュ
2008_7_27
雨季には国土の半分が水没‥‥
写真は2008年7月27日にインドへの航空機上から筆者撮影した雨季のバングラデシュである。
この写真の撮影ヶ所は平地部と丘陵部との境界辺りだったと思うが、航空機上から延々と水浸しの平地部を見た印象は強烈であった。見渡す限りの土地が、僅かな人工物を残して水没していた。
デルタ地帯のバングラデシュは国土の50%以上が海抜7m以下、80%が三大河川の氾濫地帯であり、台地は8%、丘陵地は12%に過ぎない。そのため、モンスーン時期には、年により差はあるが国土の約半分が水没するという。
少し古いデータであるが、国連開発計画(INDP)「世界報告書:災害リスクの軽減へ向けて、2004年8月」によると、世界各国の災害死亡者数(1980〜2000年)は、死亡者数の多い順に並べると、
エチオピア(14,330人/年)、北朝鮮(12,888人/年)、バングラデシュ(7,931人/年)、
スーダン(7,160人/年)、モザンビーク(4,828人/年)‥‥‥日本(351人/年)‥‥‥、
となっている。
特徴的なことは、災害死亡原因が、エチオピア、北朝鮮、スーダン、モザンビークが旱魃による餓死であることに対して、バングラデシュは洪水が死亡原因となっている。バングラデシュは世界一の洪水被害国という不名誉な番付である。日本の災害死亡原因は地震が主であるが、これは阪神淡路大震災の影響が大きいと見られる。