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グラミン銀行の返済集会
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写真−46
グラミン銀行
借金を返済する集会に集まった女性
2010_2_24
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グラミン銀行‥‥

・ 私たちは家族のために繁栄する
・ 私たちは家族を増やしすぎないように計画する
・ 私たちは子供たちを教育し、教育費を払う
・ 私たちはつねに子供と周囲の環境を清潔に保つ
・ 私たちは息子の結婚式で持参金をもらわず、娘の結婚式にも持参金を持っていかない
・ 私たちは不正なことをせず、また他人に不正なこともさせない
・ 私たちはすべての社会活動に共同で加わる

上はグラミン銀行の毎週の返済集会時に、全員が復唱する「16の決意」の一部分である。

グラミン銀行の地区責任者の説明によると、この銀行は貧しい農村の女性が金を借りる前に、先ず一週間ほど、自分の名前と数字の読み書きが出来るように教育する。そして借りた金でどのような事業をするのか、銀行員が相談に乗る。(例えば、養鶏を始める、店を持つ、教育資金にするなど)

もし農民が事業に失敗し返済が不可能になった時は、返済条件を柔軟に変更し、さらに融資して次の成功可能性の高い事業を指導する。融資対象者は、貧困層の女性であり、融資金額は小額で、担保、および連帯保証人は不要である。そして、返済率は98%であるという。 以前は5人のグループで連帯保証していたが、新しいシステムでは5〜10人のグループが互いに助け合うものの、連帯保証制度はなくなっている。説明が聞き取れなかったが、多分返済が出来なくなった時のために、保険制度を導入したのではないか。(本項、正しい知識の方がいれば教授下さい)

グラミン銀行は、発案者のユヌス博士とともに2006年にノーベル平和賞を受賞し、日本にも博士が来日し、何度もテレビで紹介され、書籍も多数出版されているので銀行の仕組みは省略するが、2万4000人のスタッフを擁し、バングラデシユの8万4000の村、つまりほとんどの村で活動を行っている。利用者は、558万人程の貧しい女性である。

グラミン銀行は、株主や経営者の利潤追求よりも、貧しい人が貧困から脱却することを目的にしているので、まさに社会に貢献する企業と言えるだろう。グラミン銀行を、NGOとかNPOとかボランティアで成り立っているなどのニアンスで説明する人がいるが、グラミン銀行の形態は、法律的にも完全に企業である。

さらにユヌス博士は、大学を卒業しても就職先がない問題を解決するため、グラミン銀行のファミリー会社として、22の企業を立ち上げている。例えば、携帯電話会社、ソフトウェア会社などである。