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パハルプール(世界遺産)
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写真−30
パハルプール
パハルプール
2010_2_24
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ヒマラヤ以南最大の僧院(パハルプールの仏教遺跡)(世界遺産)‥‥
現在のバングラデシュは、古代は辺境の地であり、マウリヤ朝やグプタ朝の属領であった。ここに独立した王国を建てたのは8世紀のパーラ王朝で、12世紀までこの地を支配し、仏教が大いに栄え、ヒマラヤ以南では最大の僧院を造営した。

仏教が生まれたインドでは、ヒンドゥー教の興隆によって、7世紀頃には既に仏教は衰退をはじめたが、べンガルではパーラ王朝の手厚い保護により、インドや東南アジアから多くの修行僧が集まり、仏教世界の重要なセンターに発展した。

巧みなレリーフ彫刻のテラコッタや、地中に埋もれていた一連の彫像により、この僧院は雄大な構想と細部の緻密さを併せ持って建設されたことが伺われる。この仏教寺院建築様式はミャンマーのパガン遺跡やカンボジアのアンコール遺跡に多大な影響を与えたと言われている。

中央寺院ソマプーラ・ヴィハーラには2,800枚にも及ぶ粘土を素焼きにしたテラコッタ装飾が飾られ、仏陀やヒンドゥー教の神々、動物や人などがやわらかな曲線と躍動感を持って描かれている。

しかし、「山のある場所」の意味を持つパハルプールは人々から忘れ去られ、19世紀初頭まで周辺の平野に囲まれた単なる丘と思われていた。